認定血液浄化臨床工学技士に向けて指定講習を受講してみました!

2018年度指定講習を受講しました!

認定血液浄化臨床工学技士にむけて認定血液浄化指定講習を受講しました。

認定臨床工学技士に関しては認定臨床工学技士についてという記事で紹介しています。

今回は講習の概要と感想を書いてみます。

 

認定血液浄化指定講習会(2018年)

講義内容

  1. 血液浄化の基礎理論
  2. 透析療法の基礎
  3. 腹膜透析の基礎
  4. 急性血液浄化療法
  5. 在宅血液透析
  6. 透析導入時の指導
  7. バスキュラーアクセスの管理
  8. 透析関連機器と管理
  9. 清浄化管理
  10. 事故対策と災害対策
  11. 透析室の設備と管理
  12. 透析療法と診療報酬
  13. 関連法規

以上13科目が1冊のテキスト全177ページにまとめられています。

全部で669分と時間的にも2~3日間の講義内容だと思いました。

なんでも屋ME
時間を作るのが大変でした。

 

受講方法

受講方法はテキストと一緒に送られてきたIDとパスワードプリバドのログイン画面に入力して、画面左端のEラーニング受講をクリックして任意の講習を受ける形です。

今回僕は初めてこのEラーニングを使用した受講をしたのですが、好きなところで休憩出来たりスライドで気になる部分は止めてよく見たりと、リアルタイムの講義ではできないことが出来新鮮でした。

また、講義によってはテキストに載っていない部分の説明もあったためスマホで写真を撮って後で読み返せるようにしておきました。

 

講義の感想

無断転用禁止のため講義の詳細は書けませんが、

血液浄化の基礎理論・・・

もっとも苦手なクリアランスの計算や総括物質移動係数の求め方など血液浄化で使用される理論の計算式の説明がメイン。最初の講義で心が折れかけました(早い)

 

透析療法の基礎・・・

透析療法の歴史から各血液浄化療法の説明まで幅広く浅く説明。

 

腹膜透析の基礎・・・

僕が働いている施設では経験がないので実際の業務とリンクさせての勉強はできませんでした。今働いている施設の業務内容に含まれていないせいもあってかPDについて浅い知識しか持ち合わせておらず、今後PDを提案できるようなMEになりたいと思わせる講義内容だと思いました。

なんでも屋ME
この分野は検定試験で多く出題されていました!(2019年第1回検定試験情報)

 

急性血液浄化療法・・・

こちらも今働いている施設ではなかなか当たらない業務(年に2~3回)で実際の業務とリンクさせての勉強はできませんでした。2016年に敗血症の定義が変わっている事やサイトカインの吸着膜としてアクリロニトリル系膜(AN69ST)が敗血症の適応を取得し使用されているなど、学生時代に受けた内容とだいぶ違いがありました。

 

在宅血液透析・・・

こちらも今働いている施設では業務内容に含まれていません。HHD患者数は2016年12月31日時点では635名(全体の0.2%)と非常に少ない割合だそうです。実施施設も2018年8月時点では全国の施設の2%とこちらも非常に少ない割合ですが年間50~70人ずつ増えているとのこと。

講義ではHHD適応基準やその流れ・指導項目など詳しく説明されていました。

なんでも屋ME
この分野は検定試験で多く出題されていました!(2019年第1回検定試験情報)

 

透析導入時の指導・・・

CKDの定義や重症度の説明や腹膜透析の講義と少しかぶっていましたがPDについて・腎移植・各療法の移行準備など講義されていました。また、治療法の選択時に関係者全員で話し合いどの選択がベストかを一緒に探していくシェアード・ディシジョン・メイキング:SDM(共同的意思決定)という考え方が広まっており、臨床工学技士の参加も必要であると考えられているそうです。

 

バスキュラーアクセスの管理・・・

これは以前受けた「バスキュラーアクセス管理研修」と似た内容でしたが、各カテーテルの特徴及びその感染管理など改めて勉強になるところがありました。

 

透析関連機器と管理・・・

こちらの講義では各透析液供給システム・透析用水作成装置(RO装置)・原液供給装置・各コンソールの方式・機器管理体制などについて詳しく説明されていました。今働いている施設ではコンソールは1機種しか種類がなく他の種類について知識がないので改めてどのような方式で透析液が供給されているのか勉強になりました。

 

清浄化管理・・・

水棲菌由来のエンドトキシン(ET)などはダイアライザを通過するため、透析液の清浄化は非常に重要です。水質確保加算もあり施設に少しでもプラスになる要素もあるため積極的に行いたいところです。この講義では2016年版透析液水質基準や測定方法・コンソールなどの汚染部位になりやすいところの説明など現在透析液の管理担当になっているので大変勉強になりました。特に透析液供給配管の違いなど今後更新の際に参考にしようと思いました。

 

事故対策と災害対策・・・

インシデントレベル分類や分析方法についての説明・透析における医療事故の実態・災害発生時の対策や行動などを講義してもらいました。地震での透析室の被害は震度5強までは支援を必要とする被害は出ないと考えられ震度6クラスから透析室に被害が出始めるといったことが言われており、テキスト内に透析被害を最小限にする対策も掲載されているのでこれを参考に災害対策の見直しなどしていきたいと考えました。

 

透析室の設備と管理・・・

この講義は透析施設における法令や条例や透析室の設備管理といった、学校や今までの業務の中でまったくかかわりのなかった分野を学びました。こんなことまで基準が設けられているの?といったこともあり勉強になりました。

 

透析療法と診療報酬・・・

人口一人当たりの医療費が増えており、透析関連の診療報酬は縮小傾向とされています。その中で加算など知っておくことで抜けを減らし医業収益の増加をもたらせるよう全スタッフが最新の診療報酬情報を把握しチェック体制を作り上げることが必要と言われていました。請求漏れは病院の経営にもかかわってくるので加算などの知識を知っておくことで少しでも施設にプラスになれる情報を提供出来たらと思いました。

 

関連法規・・・

医療法や薬機法から水道法まで透析にかかわる法律について抜粋して説明があり、普段何気ない業務の中に研修・教育などがありますが指導や監督する場合には強い責任が生じるのだと思いました。臨床工学技士は様々な医療機器を扱うため不具合などを発見することがありますが、この場合は医療従事者側にもすべての医療機関や薬局に報告義務が発生するとのことでした。厚生労働大臣に対してはFAXや郵送・電子報告での直接報告が義務付けられているそうです。

 

最後に

実際に受講してみてまだまだ自分の知識は全然足りないなと改めて思いました。

認定血液浄化でこのレベルなので専門臨床工学技士の方の知識量はすさまじいものだと思います。

無事すべて受講できたため受験資格を得られましたが、果たして自分は受かるレベルに達することが出来るのかすごく不安です。

→無事に2019年第1回検定試験合格しました!

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とにもかくにも受講期間終了後1週間後より順次終了証が発行されるそうなのでそれを待ちつつ、テキストの読み返しなどで自己学習に励んでいきます!

 

追記(2019年9月)

認定医療機器管理臨床工学技士もしくは認定血液浄化臨床工学技士を取得していれば、2020年に新設予定の腎代替療法専門指導士の取得条件を満たすことができるので、まだ取得をしていないという方は是非取得を目指してみてはどうでしょうか?

腎代替療法専門指導士は「診療報酬の加算」が含まれることを目指しているそうです。

 

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