認定医療機器管理臨床工学技士取得を目指すために、
2019年8月開催の第2回認定医療機器管理指定講習会をeラーニング受講したのでその感想です!
受講方法
受講方法はプリバド経由での受講となります。
eラーニングの為、好きな時間に受講できるのがいいですね!
ただ、集中力が持続するのかは別問題(笑)
講習内容(2019年度)
全講義時間は570分と2018年度認定血液浄化の指定講習と比較して99分短いですが、テキストページ数は335ページと血液浄化の約倍のページ数!
大ボリュームです!以下に講義内容とその時間です。
講義Ⅰ 関係法規 (110分)
- 臨床工学技士法と職業倫理 40分
- 医療法 20分
- 医薬品医療機器法 50分
講義Ⅱ 病院設備他 (175分)
- 電気安全性・電気設備 45分
- 電磁両立性・電波管理 45分
- 医療ガス 35分
- 医療情報 50分
講義Ⅲ 医療機器管理技術 (105分)
- 管理体制 35分
- 保守 生命維持管理装置を中心に 20分
- 研修 生命維持管理装置を中心に 30分
- 情報 生命維持管理装置を中心に 20分
講義Ⅳ 在宅医療 (60分)
- 各種制度と療養環境の整備 30分
- 在宅医療における災害対策 30分
講義Ⅴ 病院管理 (105分)
- 医療経営・経営 25分
- 医療安全 25分
- 感染対策 25分
- 災害対策 30分
講義Ⅵ トピックス (15分)
- トピックス 15分
感想
無断転載禁止の為、詳細は省かせていただきます。
講義Ⅰ 関係法規
臨床工学技士法から薬機法といった、医療機器の保守管理に関係する法律・倫理・責任について学びました。
特に面白かったのは添付文書の説明で、添付文書には記載順序がありその中で記載すべき項目がない場合は項目名を含めて削除してもよいといった事や、添付文書のヘッダー部に勤め先で使用している医療機器台帳に必要そうなことがほとんど書かれているので、医療機器台帳に抜けがある項目は添付文書のヘッダー部を見れば簡単にわかるんだなと思いました。
また、医療機器の修理を企業に頼むことが多々あるのですが修理業に区分があるのは初めて知りました。
講義Ⅱ 病院設備他
この講義では苦手な電気電子系から医療情報システム関係・医療ガスについて学びました。
一部認定血液浄化の講義と被っている部分もありましたが、無線LAN・携帯電話の使用による影響など普段の生活に欠かせない物が医療機器にどのような影響を及ぼしたりするのか、またその影響を抑えるための対策はどのように行っていくのかなどこれから身近に使用されていく電波を発生させる機器に対して臨床工学技士としてどうかかわっていくのか勉強になりました。
医療ガスではやはりでました、ボンベ残量!国家試験にも出題されているのでおそらく認定の検定試験にも出そうな気がする。
火災時のシャットオフバルブは誰が閉めるのか?勤め先ではどうなっているのか一度確認してみたい。
サイバーセキュリティではこのブログ開設でいろいろ調べたSSLの話なんかが出ていました。
医療情報システムは今後益々発展していき扱いが難しくなりそう。使用者の情報の扱い方やセキュリティー意識も高めていかなければいけない。
講義Ⅲ 医療機器管理技術
医療機器のどのような管理体制が望ましいかや「医療法 第25条第1項の規定に基づく立ち入り検査」の医療機器に関連した項目についてといったことで、実際の勤め先での管理体制とリンクさせながら学びました。
医療機器の研修ですが、よく「新人向けに基礎からお願い!」と言われますが「基礎」って何だろう?と思いつつも自分中でこれが基礎なのではないか?と思いつつ資料やスライドを作製していました。
この講義を通してID(インストラクショナルデザイン)に基づいたプロセスで研修内容を作り上げていくことの重要性を学びました。
情報では、添付文書・取扱説明書の管理から機器登録の実例を踏まえた解説、医療機器の回収や安全管理情報の管理と報告・医療事故時の対応などを学びました。PMDAは知識としては知っていましたが、上手く活用できておらず回収などの情報は基本メーカー任せに勤め先ではなっているので今後は活用していきたいと思いました。
講義Ⅳ 在宅医療
在宅医療を受けるにあたっての制度や患者環境のライフラインなどの整備と把握などについて学びました。
勤め先では在宅医療も臨床工学技士が関わりはしていますが、決まった人しか行けず僕自身は関わりが薄いところであったので勉強になりました。
今後も在宅医療は国の後押しもあるので増えていくと思います。
災害対策では、勤め先での在宅医療患者に対する災害対策としてあまり関われておらず、また対策がとられているのか不明なところもあり確認したいと思いました。
ハザードマップにも種類があることは知っていましたが、火山災害などその地域特有の物もあるのは初めて知りました。
講義Ⅴ 病院管理
医療経営では保険制度や診療報酬制度についての説明でした。この辺りは認定血液浄化と同様の説明な感じでした。
医療安全でも認定血液浄化と同様の部分もありましたが、ヒューマンエラーの発生原因となる人間側の要因など聞いていてためになったり、なるほど確かに!と思うようなこともありました。
医療機器管理の講義の1つということで安全工学の分野では信頼性と安全性・安全の定義・フールプルーフ・フェールセーフといった事の説明や定義を改めて確認できました。
感染管理・災害対策も他の講義と同様に一部認定血液浄化と重複しているところもありましたが、こちらはより幅広い内容となっていました。
消毒・滅菌方法として紫外線照射ロボットなる物も登場しているようで将来的には各施設でも導入されていきそうなものでした。
またこちらのロボットはME機器にも影響を与えているようで(例:パルスオキシメータ)臨床工学技士の管理になりそうな気もします。
滅菌方法やスタンダードプリコーションといった国試にも出ていた内容や感染性は器物なども詳しく説明されていました。
災害対策ではCSCATTT(スキャット:災害医療の原則)やBCP(事業継続計画)の策定などを学びました。
認定血液浄化の講習にはなかった、救護者に生じる心理的な反応についても解説されていたのが印象的でした。
講義Ⅵ トピックス
スモールボアコネクタの規格変更と単回使用医療機器(SUD)の再製造について解説されていました。
スモールボアコネクタ(オスメスのルアーコネクタ)で誤接続による死亡事故があり、接続部形状の基準を制定されるようで各製品分野ごとに異なったコネクタになるように議論がされたりすでに制定されている分野もあるとのことでした。
また、すべての分野に導入予定であるが時間差もあり製品ごとによるリストアップや在庫管理など問題点もあるとのことです。
SUDの再製造については厚生労働省が新しい制度作製を創設するようでその制度骨子案について説明がなされていました。
SUDの使用により資源の有効活用・医療廃棄物の削減・医療費の低減に期待されていますが、感染面での心配もあるため慎重に制度を定めていく必要があると思います。
最後に
認定血液浄化の講習と同じところもありましたが、全体的に内容が丁寧でテキストがすごく親切につくられている印象でした。
毎講義ごとに、学習項目と学習のねらいが書かれておりそのあたりも認定血液浄化との違いを感じました。
医療機器管理に携わっているのなら受講してみると改めて知識のアップデートや再確認が図れると思います!
認定医療機器管理臨床工学技士もしくは認定血液浄化臨床工学技士を取得していれば、2020年に新設予定の腎代替療法専門指導士の取得条件を満たすことができるので、まだ取得をしていないという方は是非取得を目指してみてはどうでしょうか?→残念ながら認定医療機器管理臨床工学技士は条件から除外されたようです(2021.12.29)
腎代替療法専門指導士は「診療報酬の加算」が含まれることを目指しているそうです。
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