心血管カテーテルに携わるようになって、5年以上が経過しました。
最初は右も左もわからない手探り状態での勤務でしたが、徐々につかめてきて一般的な検査や治療に対してそれなりにこなせるようにはなったつもりでいました。
ですが、一施設での経験であり全国的にみればまだまだなのは自覚していたので、気にかけてくださっている循環器のDrより受験してみないか?と誘われたのが「心血管インターベンション技師(ITE)」と呼ばれるものでした。
当初は技士会の認定臨床工学技士にこの分野が加わりそうな気がしていたのであまり乗り気ではなかったのですが、せっかく誘ってくださっているのと母体となっているCVITの年会費が安く、臨床工学技士の必要性に声をあげてくれている団体でもあったので受験してみることにしました。
CVIT入会申請
オンラインでの受付で3ヶ月程度かかりましたが、認定証( カードタイプ)が届きました。
手続き自体はオンラインのためスムーズにできて非常に楽でした。
講習会の申込
クレジットカードがシステムの都合で使えなかったのでコンビニ支払いでしたが簡単に申込ができました。
講習会の資料は、別途メールで案内が送られ、その中にダウンロードするためのパスワードが記載されています。
メールのURLまたは、ホームページから講習会の資料をダウンロードできます。
ボリュームは多く、150P程度あり技士会のようなパワポ貼り付けの資料ではなく教科書の体裁をとっています。
講習会の受講
今回はEラーニングによる受講でした。
コロナ禍以前は現地受講だったようです。
ログインIDやパスワードは、CVITの会員システムとは違うので新たな設定にする必要があるようでした。
Eラーニングは前半・後半にわかれており、前半聴講後に後半が解禁され、後半受講後に確認テストが行われます。
この確認テストは告示研修と同じように全問正解で受講完了となります。
失敗してもやり直せますが、何回失敗したかは記録されているようでできるだけ一回で突破できるように頑張りました。
難易度的には得意な分野ではそれほど難しいともいませんでしたが、業務をしていない領域のものは難しく感じました。
合格後は、各分野ごとに合格証が発行されるのですが、CVIT本部で合格状況は把握しているとのことでこの合格証がどの場面に必要かはわかりませんでした。
受講内容
- 心臓の解剖・生理,心臓カテーテル検査と PCI
- 合併症対策~カテ室での危機対応(PCI 合併症) BLS ・ALS
- 末梢動脈疾患(Peripheral Artery Disease: PAD)
- 実技編: IABP ,補助循環デバイスの基礎
- 実技編:除細動装置・ペースメーカ・ポリグラフの基礎
- 実技編:イメージングデバイスの基礎(IVUS OCT ,血管内視鏡 FFR)
- PCI デバイスの基礎
- 実技編:ロータブレーターの基礎
- 放射線被ばく,放射線皮膚障害
それぞれ、前半・後半合わせて30~60分程度のボリュームでした。
受験申請
CVITの会員ページより、
下記書類をアップロードします。
- 心血管インターベンション技師 新規申請書
- 経験症例証明書
- 証明者証明書
- 臨床工学技士もしくは臨床検査技師の資格免許証
各様式には記入例があり、記入書式はダウンロードできます。
気を付けるべき箇所は、「経験症例証明書」です。
ITEの受験資格は、CVIT認定医の元で5年間のうちPCI:100症例が必須です。
PCIなどの症例登録項目は、症例実施施設名・症例証明者会員番号(CVIT認定医)・施行日(西暦)・診断名・手技の種類を登録していきます。
診断名・手技の種類はカルテに記載されているものを記入しますがある程度プルダウンリストから選べるようになっています。
選べる診断名:ACS・OMI・AP・SMI・PAD・その他(その他は別途記入が必要)
選べる手技名:PCI・EVT・SHD・その他(その他は別途記入が必要)
バスキュラーアクセス不全のVAIVTはEVTに含まれるか?
これに関して、担当者にお聞きしたところ診断名をカルテに記載されたもの(例:VA狭窄)にして、手技をEVTにすればよいとのお返事があり、実際に自施設でのPCI・EVT経験症例数では少し足りなかったのでVAIVTもEVTとして計上しました。
認定医の方からは、VAIVTだけをEVTにするのはだめだと思うと言われていたので、全体(200症例中)の15%程度にとどめました。
申請後
申請をすると、CVIT会員ページの「資格申請」のページに「第○○回心血管インターベンション技師新規申請(20××)と表示されステータスが「申請中」と表示されます。
全ての書類に不備が無く、審査料(受験料)の入金が確認できるとステータスに変化が現れます。
申請から数カ月後(今回では2023年1月上旬)にステータスが「受付」になっていました!
再提出の可能性があるため、ITE事務局からのメールは受信できるようにしておきましょうとアナウンスがなされていました。
順調に提出物のチェックが進めば、2月中旬にITE試験新規申請書類の書類審査結果がメール送信されます。
承認がされたとのメール内に、今回の受験は自宅受験のため問題用紙など書類発送日が記載されています。
また、送付先の変更が必要ならば期限内での変更届提出を求められました。
発送当日にレターパックで郵送されたこと、内容物の確認をお願いするメールが届きました。
受験勉強
ITEに関しては過去問がHP上で公開されています。
しかし、公開されているのは「過去問」のみで解答は含まれていません。
今回は過去問5年分をダウンロードし、自分で解答を作る勉強方式を主軸にし、間違えたところや自信がない分野をテキストで補完する勉強方法としました。
自宅受験
過去の第7回と同様に今回第8回も新型コロナウィルスの影響で自宅受験方式となりました。
自宅受験のメリットとしては、開始時間を自由に設定でき、落ち着いて受験ができる点かと思います。
問題としてはカンニング防止をどうやって運営側が見分けているのだろうと疑問に思いました。
特殊な統計処理?でもあるのでしょうか…
自分史上初めての自宅受験となり、勉強のピークをいつに持って行くかとかモチベーション維持が苦労しました。
今回は育児がひと段落ついた時間(深夜)からの受験に挑戦しました!
気分を少しでも高めようとTwitterCE部特製スクラブを着用して臨みました!
試験はマーク式で、解答用紙・問題用紙に受験番号と氏名を記入します。
解答終了後は、返送用のレターパックが同封されていたので、こちらも同封されていた返送時チェックリストを用いて確認し、解答用紙・問題用紙・返送時チェックリストをレターパックに入れ郵送しました。
合格発表
2023年3月24日にメールより合格者がCVIT会員サイトで確認できると連絡を受けました。
確認してみると、無事自分の受験番号を確認できました!
メールより合否結果と認定登録料の請求書を近日中に送付することも書かれていました。
※4月上旬に届きました!
認定料は2000円。
とりあえず認定を受けたので、受験に協力していただいた医師に合格の報告を行いました。
認定証とピンバッジの送付
認定証とピンバッジの送付は、認定登録料の払い込みが確認でき次第とのことでした。
実際に届いたのは、5月上旬です。
認定までを経験して
今回、医師の署名も必要とのことで色々な意味で緊張しました。
また、自分の資格取得で一番勉強時間確保が困難でした。
合格したのも、現場で教えてくださっている医師の方や医療系ディーラーの方たちのおかげだと思っています。
資格取得は通過点でしかないので、そこからどう現場へ還元できるのか模索していきたいと思います!
参考元
一般社団法人日本心血管インターベンション治療学会
https://www.cvit.jp/_new/
ITE 心血管インターベンション技師制度
https://www.cvit.jp/_new/medicalstaff/