新型コロナウイルスによる影響で予定よりも伸びてしまいましたが、第30回日本臨床工学会に参加してみました。
運営の皆様におかれましては今まで例がない事を行うこととなり大変だったと思います。
どういう形であれ学会を開催してくださりありがとうございました!
今回は日本臨床工学会で初めて行われた現地とオンラインのハイブリッド形式での学会参加感想です。
初めてのオンライン学会参加
今回現地の状況や移動までのプロセスを考えて感染の確率が高い事を鑑みて現地での参加ではなく、オンラインでの参加にしました。
勤め先では制限を設けているわけではないので参加者の自主性に任せるとの事でしたが、演者でもないのにわざわざ長時間かけて遠方から参加し自身の感染リスク上げても・・・と思いオンラインでの参加としました。
臨床工学技士の認定制度
現在日本臨床工学技士会では認定制度として、専門・認定臨床工学技士の認定取得を行っています。
その中で、今後は専門臨床工学技士に「医療機器管理」(認定医療機器管理の上位資格)の追加、マスターキャリアCE(仮称)の構想が情報として出ていました。
マスターキャリアCEは試験を行わず経験年数や単位による取得としているようです。
キャリアアップ教育プログラム
キャリアアップ教育プログラムとして個人のスキルアップだけでなく組織をマネジメントする教育が必須となってきている。
特に技士会は若い世代(30~40代)がほとんどの構成。
今後は以下のキャリアアップ教育を構想としている。
入会オリエンテーション→キャリアアップ研修初級・他→その他講習・活動→臨床工学技士AssociateLeader(経験1~5年で基礎教育を終えた者)→キャリアアップ研修中級・他→その他講習・活動→臨床工学技士Leader(経験5年以上で部門リーダー)→その他講習・活動→臨床工学技士Manager(経験15年以上で部門管理専門スタッフ)
キャリアアップには生涯教育ポイント(必須と任意)を定めそれぞれのポイント量によってキャリアアップしていく。→この部分が上記の単位にあたる?
ポイントには専門・認定臨床工学技士取得の際ポイントが加算
将来的に保険点数の要件などに盛り込んでいくとの事。
技士会の生涯教育制度のこれからとして
・会員のスキルアップ・キャリアアップを促進し、社会に認められる臨床工学技士の育成を継続的に行う制度設計。
・会員各々が自身のスキルやキャリアを客観的にとらえることができる制度設計。
・会員のスキルアップやキャリアアップが社会的に可視化でき、評価対象となることを目指す。
・未来ある生涯教育制度を構築し新規入会者の増加・講習会受講者の増加を目指す。
以上を目標とし現在ある認定制度をうまく再構築していくそうです。
個人的にはこういったポイント制度の方が人事としては判断材料の一つになりえるのかなと思いました。
ただ、技士会に入らないという選択を取る人たちについてどのように入会を促すのかが課題かなと感じています。
タスクシフティング/シェアリング
現在新型コロナウイルスの影響で話し合いはストップしている状態であるそうです。
方向性としては有資格者の業務拡大になる見込み。
業務拡大に関しては厚生労働大臣による研修が必須。
例:生命維持管理装置を用いて使用して行う治療において輸液・シリンジポンプを使用するための静脈路確保及び止血
この場合、追加教育(職能団体などによる有資格者に対する研修の実施)→来年の秋ぐらいを予定(2020年9月30日での見込み)
未受講の者は当該業務を実施することが出来ない。
対象は全ての臨床工学技士(5年程度かけて2024年までに)理由は医師の働き方改革に伴うためとしている。
静脈路確保は透析用監視装置を使用する患者にも適応となる見込み。
他には、血液浄化に用いるバスキュラーアクセス機能維持のためのシャントエコーなどグレーゾーンと呼ばれる業務を無くすよう(行ってもよい)な方向で進めているそうです。
これらのスケジュール的な事が初めて明かされたと思います。
全体を通して
今回技士会にとっては初の試みだったと思います。
今後この新型コロナウイルスを取り巻く状況から従来の学会形式を見直すきっかけになると考えています。
来年以降もオンライン開催などは併用していってもらえれば地方や仕事でいけない方の参加率増加も見込めていいのではと思いますが、機材などの準備や演題者の負担が多そうなのでこの辺りも慎重に決めるべきでしょうか。
いずれにせよ運営・演題者の皆様お疲れさまでした!
参考発表
2020年9月30日第30回日本臨床工学会 本間 理事長
2020年9月30日第30回日本臨床工学会 青木 専務理事
2020年9月30日第30回日本臨床工学会 野村 常任理事