2024年10月6日の「第28回日本透析アクセス医学会学術集会・総会」にて「VA日常管理指導士」について発表がありました。
以前から、シャントエコーに関する資格の立ち上げが噂されており、ようやくお披露目になったようです。
2016年に自分が研修を受けた、日本臨床工学技士会での「バスキュラーアクセス管理研修」でも発言があったと記憶していたので、そこから8年経過して具体的な形になったようです。構想自体はもっと前からあったと思いますが・・・
以下は、2024年10月6日の第28回日本透析アクセス医学会学術集会・総会での情報をもとに作成しています。
VA日常管理指導士とは
日本血液浄化技術学会、日本透析アクセス医学会、日本透析医学会、日本腎不全看護学会、日本臨床腎臓病看護研究会の合同資格となっています。
委員会実績は、2024年10月6日の時点でまだ2回しか行われていなので、本格的に動き出して日が浅いようです。
VAに関わる全ての職種を対象としているようです。
VA管理の中心的な存在で、院内をはじめ地域も含めた橋渡し的な存在を目指したポジションになれればという考えがあるそうです。
似たようなVA看護管理者とは別資格のようです。
「自律して、VAを持つ全ての個人およびその家族を対象に看護師が独自または多職種協働にて行う、全人的かつ全般的なケアを探求し、実践する」
参考:日本腎臓病看護学会
続報が待たれます。
VA日常管理指導士になるためには
指定の研修を受講し、検定試験を受けて認定されるようです。
この辺りは、他の医療認定資格と同じ感じな印象です。
指定研修の受講の詳細や、検定試験などの情報は現段階ではまだ出ていません。
試験は年1回とのこと。
試験に向けての参考図書や指針
第28回日本透析アクセス医学会学術集会・総会での発表にて、演者の方があげていたスライド内で記載されていた参考図書です。
イチから学ぶバスキュラーアクセス教室 エコーを用いたVA管理をマスターしよう:株式会社Gakken(2024年初版)
同時期に概要が発表された、日本超音波医学会監修の「超音波によるVAの標準的評価法」も参考になりそうです。(2024年10月時点ではまだ公開されていません)
※管理人の個人的な予想意見です。
VA日常管理指導士の資格更新は?
他の医療資格と同じで、5年間ごとの取得ポイントによる更新制度のようです。
具体的にどのようにすればポイントが貯まるのかなどは示されていませんが、関連学会の参加や発表などが一般的であるためおそらくそのような方式になるのではないかと管理人は考えています。
または、溜まりやすくして欲しい・・・
VA日常管理指導士は診療報酬に関係があるのか?
残念ながら現在の情報では、診療報酬の「加算」につなげようとする動きだけのようです。
ですが、日本全体の透析施設でのVA管理をボトムアップするために必要な資格と位置付けられており、そのためには「加算」が今後必要な手段と考えられているようでしたので、将来的には加算に関わる資格になるのかもしれません。
VA日常管理指導士はシャントエコーを行う場合必須資格?
必須の資格ではないですが、現在VAに特化した資格はなく指導者のレベルが施設により違うことや、指導者自体がおらず独学で行う必要がある施設などもあることから一定の技術レベルを担保するためには1施設に1人はいて欲しい人材として今後必要になってくるのではないでしょうか。