2021年5月28日に、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律が公布されました。
この法律に伴い、既存の免許保持者は臨床工学技士法が改正され新たな法律に対応すべく、「臨床工学技士の業務範囲追加に伴う厚生労働大臣指定による研修」通称:告示研修を受講しなければならなくなりました。
2021年5月28日に、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律が公布されました。 この法律内には医師の働き方改革に関することが含まれており、その中で臨床工学技士が医師のタスクシフト・[…]
今回、この告示研修を受講しましたのでその感想を述べていきたいと思います。
まずはE-ラーニング(基礎研修)から!
受講の際、まずはE-ラーニング(基礎研修)からとなります。
※公益社団法人 日本臨床工学技士会 会員の方もアカウント登録が必要です。→アカウント登録HP
範囲は今回の法改正で追加になる業務に関する内容となっています。
また視聴後は確認テストと呼ばれる2択問題が2問出題され、すべて正解でその視聴した項目が修了となります。
受講で使うテキストは参加費が支払われると、PDFファイルで閲覧・ダウンロードができます。(別料金で紙媒体も可能)
話が専門的なものもあり、そーなんだー!くらいしか理解ができてなかったかも・・・
実技研修申込
全ての動画視聴と確認テストが修了していれば、視聴が全て終わっていない状態では観れなかった、実技研修申込へのページアクセスが可能になっています。
このページから実技講習の申し込みが可能となります。
残席数があるものしか選べないため、特に地方開催のものはすぐに枠がうまっているようでした。
このシステムのせいで自分が受けたいところが残りわずかだから動画視聴を早めよう!といった事ができなかったので、何らかの改善を期待したいです…
申し込みができたら、受講状況確認で受講票の印刷ができます。
この受講票は、実技研修当日に参加確認として使用するので印刷をしておきましょう!
実技研修
遅刻は欠席になりますので、注意です!
ガイダンスでも話されてましたが、交通状況による遅刻も欠席扱いです。余裕をもって行動してください!
また、受講票は必ず印刷して持っていきましょう!
受講の数日前に座席番号と組み番号が記載されたメールが届くので確認しておきましょう。
受講中のトイレによる離席はスタッフに話すことで認められるようでした。
1日目
手術における清潔操作
普段心臓血管カテーテル検査などで、清潔野に入ることもあるのでガウンの着方は簡単にできましたが、手袋の装着がいつもと違いました。
現在ガイドラインなどでは、クローズド法と呼ばれる一度もガウンから手を出さずに装着する方法が推奨されているようでこれが意外と難し方です。
少し大きめの手袋の方が余裕があってやりやすいのかもしれません。(実際は手に合ったサイズを選ぶべきですが)
手洗い方法の実技もあり石けんやアルコールで消毒している体で行ってました。
手洗い方法はラビング法を用いていました。
帰宅後の勤務で清潔野に入ることがあり、手洗いとガウン・手袋の着方を実践しました!
普段より倍以上遅い…ですが慣れれば早くなりそうでした!
鏡視下手術のカメラ保持・操作
1日目のメインともいえる5時間の長丁場講習。
まったくの未経験分野であったので、ワクワクしながら臨みました。
この模型を使って講習を受けます。
中にキューブ上の目標物をとりつけます。
最初は0°のカメラで見える範囲を確認していきます。
ケーブルの接続なども初めてのため、ここがこうなってるのか~と思いつつやりました。
次に30°の視野角が付いたカメラでの操作です。
これが難しく、思った位置が見えない!また、手振れがひどく画面を注視していたら酔ってしまいました…
ちなみにパートナーの方も同様でした(笑)
そして酔った状態で、講師の方から非常な一言
「では今からタイムトライアルを行います!」
画面で酔ってる状態でのタイムトライアルはいろんな意味でしんどかったです。
個人的にシープリンキューブの側面を捉えるのが苦手でした。
ちなみに、キューブを倒すと10秒加算・トロッカーを触らずカメラを抜き差しすると10秒加算されます。
初回は上記状態なのでかなり遅く3分程度かかってました。
次は足側のキューブの観察を行い、再度先ほどと同じタイムトライアルを行います。
スコープの扱いにも慣れてきた頃でしたので、やや早くなり2分を切れるぐらいにまで成長!
周りを見てて思ったのが、意外と酔ってる人少ない!?みんなすごい!
ちなみに本当に体調不良になった場合は、スタッフの方に声をかけて休ませてもらえるようです。
キューブの次は本格的に胆のう摘出の模擬手術っぽいことを行いました。
模型の中身も、こちらに変更!
スライムみたいな粘り気があります。
先ほどのキューブでのカメラ操作を意識して、鉗子操作を見やすいように位置調整を行います。
慣れてきたら意外と簡単にできますが、実臨床ではこうも行かないのだろうなと思いました。
5時間は長いと思いましたが、意外とすぐ時間が経ったように感じました。
2日目
静脈路からの薬液投与
こちらは座学でE-ラーニング同様の動画を観ながら講師の方が説明。
静脈路の確保 静脈路の抜針・止血
ここから実技が入ってきます。
このような模擬血管を用いて22Gの針で穿刺を行います。
普段透析でもっと太いものを使用しているのでおもちゃみたいに感じます。
陽圧になっていないため、バックフローがなく刺した感触も薄いため意外と難しかったです。
固定方法の実技はなく、ほんとうに穿刺のみでした。
穿刺と止血などもまじえて3回行いました。
動脈表在化の穿刺
こちらも実技で、静脈路確保とは違う模擬血管を用いて、外径17Gを使用して穿刺を行います。
写真許可済み。
こちらは静脈路と違いすごくやりやすかったです。バックフローは無くても刺した感触もありました。
こちらも穿刺と止血などもまじえて3回行いました。
心・血管カテの電気的負荷
こちらは座学でE-ラーニング同様の動画を観ながら講師の方が説明。
講習後はこのようなピンバッジが配られます。
最後に
新卒者の育成や養成校に需要ありそうな気がします。
追記
履修証明書ですが、当日には発行されません。
PDF化された簡略様式のものは受講修了から4~5日程度で告示研修の申し込みサイトからログインしてダウンロードできるようになります。
正式な書式の履修証明書は後日登録先に送られてくるそうです。
2022.2月追記
修了証書が書留で送られてきます。
原則再発行はしないそうなので、臨床工学技士免許と一緒に保管しておきましょう!