キャリアアップ研修会・中級を受講してみました!

臨床工学技士のキャリアって何だろう?経験年数が上がれば自然と身につくもの?

そんな疑問に答えてくれる?
日本臨床工学技士会主催の「キャリアアップ研修・中級」というものがあります。

今の施設での技士歴が10年を超えたことと、後輩が増えたため部署での立ち位置がちょうど中間に位置し、自身のキャリア構成も踏まえて受講してみました。

この研修が始まった当初は、現地開催だったと記憶していますが新型コロナ感染症予防などでE-ラーニングへと変更になっているようです。

費用:会員 8,000 円  非会員 12,000 円

なんでも屋ME
「臨床工学技士認定制度」に係る本研修会取得単位は、10 単位となるそうです。
費用はちょいとお高めな印象…

講義内容(2022年度受講)

  1. 日臨工の存在意義について
  2. 生涯教育制度について
  3. 臨床工学技士の業務・倫理を考える
  4. 組織内におけるCEの業務拡大と信頼の構築
  5. 診療報酬について
  6. ワークライフバランスを考える
  7. 臨床工学技士としてのキャリアを考える
  8. 新しい世代との向き合い方
  9. 円滑な組織運営は報連相がすべて
  10. 情報過多時代において論理的に物事を伝える力を養う
  11. ソーシャルスタイルの理解と活用
  12. 役職がついた貴方に

上記が講義内容となっており、事前にプリバドから講義の資料がダウンロードできるようになっています。
資料は講義ごとにダウンロードとなっており一括ではできませんでした。
この辺りは改善してほしいところでもあります。

資料ボリュームはそこそこあるのでタブレットなどに落とし込むのが良いのではないでしょうか。

 

以下は特に勉強になった講義内容の感想です。

組織内におけるCEの業務拡大と信頼の構築

個人的にすごくおもしろかったなと思える講義内容でした。

講義担当の先生自身の経験も話されていたり、なぜ業務拡大が必要なのかを説いていました。

 

現在の業務がいつまで続けていけるのか?

 

これは色々考えなければならない問題で、地域の特性・国の方針・技術革新による革新的な治療方法の発見など、自分が働いている間に大きく変わりそうな業務もあれば、ゆっくりと変化していく業務もあります。
また、現在行われているタスクシフティングの行方によっては急激に変化していく業務も考えられそうです。

組織のリーダーなど管理者はそういった中期・長期的なことも見越して仕事を考えていかなければならず、病院内だけでなく外の情報も拾っていかなければならないと感じました。

業務拡大を行いたくてもスタッフ増加が厳しい病院では?
という問いに対して、将来のCE業務に対するリスクヘッジ・無理は禁物だが新たな業務を行うチャンスが巡ってくるかもしれない・今できることを考える(技士会へのアンケート協力や連盟への参加)などが考えられるとのことでした。

個人的には人事権を持つ人と意見が交わせるような人脈や信頼関係を構築していくのも方法のひとつかなと思いました。

また、トップダウンでの業務拡大の他にスタッフからの提案(ボトムアップ)で業務拡大ができる風土づくりが必要とのことでした。
提案があった場合は管理者はまず「やってみたら」と承認し、やってみてその後に業務整理といった流れも有効とのことで今後このような取り組みができたらなと思っています。

 

今後の臨床工学技士生涯教育制度

技士会としては、臨床工学技士免許取得からキャリアップ研修(初級)を受講し、キャリアアップ教育プログラム(本研修のような研修事業)専門技術教育プログラム(認定・専門臨床工学技士)を通して、管理職として必要なマネジメント能力・指導的立場で臨床現場での治療が対応できる能力を兼ね備えた「管理臨床工学技士(構想中)」を計画しているとのこと。

看護師で言うところの看護部長クラスが受ける研修みたいなのとはまた違う感じでした。

個人的な感想を言えばマネジメント・臨床現場での知識スキルが両方高ければ理想ですが、現実的ではないような気がします。

ただ、このような構想プランをもって制度化していくのはこれから必要なのではと感じています。
自施設ではまだまだこういった管理職向けの講習を受講する人たちはおらず、日々の業務に忙殺されていたり年齢や勤続年数のみで評価を受けていることもあるので、経験年数が若いうちからこういった生涯教育制度を利用していくべきと思います。

また、技士会ではこの生涯教育制度の中に「生涯積み上げ式教育ポイントの導入」も視野に入れており、内容に「認定・専門臨床工学技士の取得」が入ってきていることから(ポイント割合もセミナー受講よりかなり高め)技士会での認定資格を利用していかなければなかなか上へあがれないようになってくるのではないかと予想しています。

まだ技士会が考えている制度では診療報酬への収載や各施設での人事評価制度への活用・インセンティブの使用に耐えるような整備が必要とのことで今後も議論されていく見通しでしょう。

 

最後に

このような臨床工学技士向けで尚且つある程度経験を積まれ、リーダー的な立場の人に向けられた研修は少ないと思います。

組織としての振る舞いの見定めや、自身のキャリア形成構築の一環・部下への接し方など色々な角度で勉強になる部分がありました。

今後この研修で得たものを使い後進への育成や組織強化につなげていければなと思います。

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