日本臨床工学技士会より腎代替療法専門指導士に関する情報提供がなされました。
その情報についての解説です。
腎代替療法専門指導士って何?
この資格の役割としては、腎代替療法(透析などの腎臓の働きの代わりをする治療)の質向上を目指すものであり、日本透析医学会が実施する講習を受けることにより与えられる資格だそうです。
つまり日本透析医学会が主導の「血液浄化に関する新しい資格」と言えます。
対象の国家資格は?
資料によると、看護師・臨床工学技士・薬剤師・管理栄養士が対象となっているようです。
また、この資格を得るための講習受講の条件が職種ごとに設定されているようです。
臨床工学技士は以下のいずれか一つの資格を持っていることが条件とされる予定です。
- 血液浄化専門臨床工学技士
- 認定血液浄化臨床工学技士
認定医療機器管理臨床工学技士(2021.12.29情報にて資格条件から外れていました)
診療報酬にも加算!?
現在、2022年度の診療報酬改定に向けて議論がなされている中で、CPAD(持続携行式腹膜透析)や在宅透析導入の際に腎代替療法専門指導士が指導を行うと導入期加算の増額を求める動きもあるそうです。
もし診療報酬に関わるような資格となれば「施設に目に見えるメリット」が生まれ資格取得のための後押しをしてくれるかもしれません。
技士会も動いた!
当初、認定血液浄化の検定試験に関しては2020年2月21日~3月1日までのうち1日を受験日とする予定とされていましたが、この新しい資格制度に対応するべく2019年度は12月6日~12月15日のうち1日を受験日とする検定試験が行われることとなりました。
つまり、認定血液浄化の検定試験は今回2回開催される予定とのことです。
2019年7月21日までの情報で
血液浄化専門臨床工学技士:249名(名簿人数)+(2018年度検定試験合格者:15名)+名簿記載拒否の方
認定血液浄化検定試験合格者:132名
認定医療機器管理検定試験合格者:202名
合計:598名(ダブル・トリプル受験合格者も含む)+名簿記載拒否の方
実際は検定試験合格しても単位が不足して認定申請できない人もいると思うのでもっと少なそうですが、大体700名も満たない人達が今回の腎代替療法専門指導士になるための講習受講条件を満たした人たちとなるので臨床工学技士としてこの資格を得れる人たちはまだ数が少ないと思うので今回検定試験の時期を早めたのではないでしょうか・・・
ちなみに2019年12月の検定試験受験後、2020年1~2月頃認定申請→2020年3月までに結果を通知予定とのことです。
認定臨床工学技士(認定 CE)について情報をお伝えするまとめページです。 認定臨床工学技士概要説明 平成 30 年度(2018年度)から専門臨床工学技士の基礎資格として、新たに認定臨床工学技士制度が構築されました。 […]
最後に
今回技士会より出された情報は、第64回日本透析医学会での情報を受けてとのことなので今後詳細などがわかり変更になる部分も出てくると思います。
ですが、国の方針としては在宅への方向へ力を入れているように感じられるのでCAPDや在宅透析などの患者さんに資格者が指導することによる導入期加算は実現できそうな気がしますが果たして・・・
現時点では日本透析医学会からのアナウンスがないので憶測状態ですが、現在の業務ではCAPD・在宅透析に関わっていないのでこの資格を機会に関われるチャンスが出来るかもしれないのと受講資格を満たしているようなので資格取得に向けて動いてみようと思っています。
参考文献
「腎代替療法専門指導士」に関する情報提供について 公益社団法人日本臨床工学技士会 副理事長 内野 順司 2019年7月21日プリバドにてアクセス
第30回日本臨床工学会での情報追記
2020年9月29~30日に行われた第30回日本臨床工学会での本間理事長講演での発言及びスライドを抜粋。
現在新型コロナウイルスにより進行がストップしている。
導入期加算3として腎代替療法専門指導士の資格を検討している。
導入期加算3は1000点?
具体的な方向性は11月の日本透析医学会学術集会・総会(JSDT)で示される予定。
導入期加算3で1000点は個人的には少し風呂敷広げすぎな気がします。
もし実現されれば、診療報酬の体系上どこかの診療報酬が大幅に減る形になると考えられます。
いずれにせよ11月のJSDTは要チェックです!
追加情報が入りましたらこちらでも追記していきます。
第65回日本透析学会学術集会・総会での情報
JACEで示されたような情報は特になく、まずは認定の母体となる組織を作ることを目標にしているようです。
資格誕生はそれからのような話でしたので、まだまだ整備に時間がかかりそうです…
2021.6月までの情報
一般社団法人日本腎代替療法医療専門職推進協会なるものが立ち上がったようです。
2021年6月13日時点ではほとんどのページが工事中で詳細不明ですが母体となる協会立ち上げは動いているようですね。
JACEやJSDTでも情報が少しずつですが出ているようで、臨床工学技士がこの資格を取得するためには上記に上げた2資格(専門/認定血液浄化関連臨床工学技士)のうちどれか一つが必要なようです。
また、資格取得の際には講義と検定試験が必要かとも言われているようでこの辺りはまだ調整中なようです。
気になるのが、上記サイトにて「入会」のページがありもしかしたら資格取得には「会員」にならなければいけないなど制約があるかもしれません。
実際の入会金など情報がない為憶測になりますが・・・
今後も情報が入り次第更新予定です。