自作録音機能付き聴診器のイヤホンマイク精度

ブログ内で紹介した自作録音機能付き聴診器ですが、現在これを使った研究を行っておりその中で使用している部品である「イヤホンマイクの精度」が問題になってきました。

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市販されている高級な電子聴診器は性能が担保されていますが、こちらは自作です・・・

そこで、どの程度の精度があるのかを試してみましたので今回紹介します。

 

イヤホンマイクの精度を調べてみた!

お金が掛けられれば周波数ごとに特定の音圧を出す公正器などが使用できると思いますが、残念ながらそんな予算はありません。

そこで、注目したのが「自己雑音レベル

自己雑音レベル(自己ノイズ)
マイクロホンに音が入っていなくても出力される信号の大きさで、この値が小さいほど、小さな音でもノイズから分離して検出できます。

引用
小野測器, 技術レポート, 音とそのセンサについて, アクセス2020.3.29, URL https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/sound/soundsensor_1.htm

本来ならばこの計測は防音室などで行うべきなのでしょうが、もちろんそんな場所はないため院内の「聴力検査室」で測定してみました。

 

聴力検査室での自己雑音レベル測定

今回使用したのは、iPhone8と等価騒音レベルが測定できるアプリ「Sound Level Analyzer」を使用しています。

Sound Level Analyzerのキャリブレーションを-20.0dBに設定しています。
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まずは、ベルを付けた状態の等価騒音チェック!

最大等価騒音は27.9dBとなっており、参考にした市販品「NL-52]の自己雑音レベルの最大許容値はZ補正で30dB以下とされてたので基準値は満たしていると考えられるのではないでしょうか。

 

次に、ベルを外したチューブのみでの測定です。

こちらの最大等価騒音レベルは27.0dBということでこちらも市販品の基準を満たしていると思われます。

自己雑音はわかったけど、他の周波数パラメータはどうなんだ?

聴力検査室は中の最大許容音圧レベルが定められている(ANSI S3.1)ということで、そのデータも参考にしてオクターブバンドレベルを調べてみました。

測定結果はこのような結果。

ベルあり

ベルなし

 

 

ANSI S3.1との比較
検査周波数帯(Hz) 125 250 500 1000 2000 4000
聴力検査室
受話器装着検査
ANSI S3.1(dB)
34.5 23.0 21.5 29.5 34.5 42.0
自作録音機能付き聴診器(ベルあり) 16.3 0 13.1 14.0 10.2 15.4
ベルなし 16.4 13.9 10.8 11.7 16.0 18.0

この様な結果となっており、騒音計での測定値と比較ができないためどの程度乖離があるのかわかりませんが、少なくともANSI S3.1内での測定値となっているあたり、ある程度の信頼性は保てるのではないかと思います。

なんでも屋ME
さすがに病院の聴力検査室で基準値以上は考えられないので。

最後に

今回の結果を踏まえて、自作録音機能付き聴診器を使用した研究を進めていき発表及び論文作成が出来ればと考えています。

本音は電子式聴診器使用してみたいですけど予算がつかないので自分で何とかするしかないのがつらい…

 

参考文献
小 幡  潔,小林理研ニュース[技術報告],1986年7月[No.13_4],2020.3.29アクセス,URL http://www.kobayasi-riken.or.jp/news/No13/13_4.htm

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