近年では、超音波画像診断装置を透析室内で使用することは当たり前になりつつあります。
使用用途としては、シャントエコーやエコー下穿刺が一般的で、他の用途での発表や報告としてはDWの指標としてIVC測定など、透析室で使用されるプローブであるリニア型を用いた報告がほとんどです。
コンベックス型や、セクタ型を備えるとコスト面から備えている機器を置いている施設は少ないと予想されます。
勤め先もそんな施設の一つです。
そのため、リニア型での発表が多いのではないかと思っています。
せっかくある機器なので、研究の種としていろんなものに当ててみるのも発見のうちと思い、ダイアライザーに当ててみました。
人体以外での超音波画像診断装置の使い道を模索
人体で内部が見えるのは分かりきっていたので、透析室内で分かれば有用そうなものとして、残血評価ができるかなー?と思いダイアライザーにエコーを当ててみました。

CHDFのフィルタートラブルの予測に役立つかも!?
うまくいけば、研究として発表できるかも!?という淡い期待も抱いていました。
観察したダイアライザー
今回観察したダイアライザー(膜面積や膜素材も同じ)は2パターン。
一つは、残血がすごく出てしまったダイアライザー。


もう一つは、プライミング後のダイアライザーです。


この二つの違いを比べると、何か変が出ているかもと考えました。
結果
18MHzプローブを使用し、18MHz・15MHz・9MHzで比較しました。
残血あり


プライミング後





全くわからない。
結果が良ければ、こんな記事はできておりません。
見ての通り、全く違いがわかりませんでした。
流石に中空糸レベルでの変化は、汎用機レベルのエコーでは変化がわからなかったです。(高性能機器でも難しいかと)
この失敗を糧に、他の物やシャント以外での観察(診療報酬は取れませんが・・・)でなにか有用そうなものがないか引き続き模索してみようと思いました。
参考文献
妻谷 憲一,他 , 維持 血液透析患者における下大静脈径変化の検討, 透析会誌, 32, 1999, 205-210
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