日々の臨床業務において、業務遂行には一人の力も必要ですが「チーム」としての力が必要になってきます。
チームとして働くにあたって、「コミュニケーション」というものは非常に重要になってきます。
コミュニケーションの取り方はいろいろな場合があり、決まった方法というものはありませんが、代表的なものが、電話・メールなどの電子的な伝達・紙媒体などによる伝達・口頭直接伝達が挙げられます。
どれも時と場合によって、適切に使われれば効力を発揮しますが、各伝達手段には「できないこと」があります。
電話と口頭直接伝達においては、内容の記録が残らない。
メールなどの電子的な伝達・紙媒体などの伝達には、記録は残りますが「確実に見てもらえたか」というのがわかりません。
それら問題の解決の一つとして業務用のチャットツールがあります。
世に出ているチャットツールの中で、HITOTSU株式会社さんから「医療業界特化型チャットツールHITOTSU Link」が発表されました。
たまたまHITOTSU Assetの使用経験からテストに関わることになり、使用してみての感触が自分なりに掴めてきました。
2024年11月4日追記
正式名称が、HITOTSU LinkからLinkに変更となりました!
HITOTSU Assetに関して
2023年1月11日から正式にサービスリリースされた医療機器管理システムの「HITOTSU Asset」 [blogcard url=https://lp.hitotsu.life/] 2023年に開催された第33回日本臨床工学会の[…]
チャットツールって何?
HITOTSU Linkの特徴
詳細は、HITOTSU株式会社さんのリーフレットを参照していただくのが一番ですが、それだとこの記事の存在意義がなくなるので、自分なりに説明します。
医療機関であればアカウント数の制限はありますが、基本無料で使用ができ、他のチャットツールと違い「無料=広告の表示が入る・機能制限がある」ではなくフル機能が最初から使えます!
これに関してはHITOTSU株式会社の「日本の医療を黒字化する」という理念からによるもので、代理店・メーカーのDXを含む業界DXのため、HITOTSU株式会社がコスト(開発・サポート)を負担し、日本全国に拡げるべく、無償で病院に配布しデジタルツールの配備を行うことを目的としていることによります。
この病院への無償配布を行うことは、デジタルツールが整備されることによる企業の営業生産性を高める効果(営業DX)も狙っており、そのDXの対価として企業からは病院との接続料をいただくそうです。
また、同社の医療機器の管理システムであるHITOTSU Assetを使用していれば付帯機能として使用が可能です。(病床数によりますが、無料使用アカウント数がかなり多いです。)
さらにHITOTSU Assetとの連携が可能となりPMDA情報の通知やHITOTSU Assetの情報を使用したやりとりが可能となる予定です。
HITOTSU Linkと他のチャットツールの比較
HITOTSU Link | ChatWork | Slack | LINE Works | Google Workspace | Microsoft Teams | |
1ユーザーあたりの料金(月額) | 医療機関無料・企業は条件によって料金が変動 | 700〜1200円 | 1050〜1800円 | 540〜960円 | 680〜2040円 | 599〜1874円 |
ストレージ | 動画は30MB/ファイル、写真は10MB/ファイルで保存期限90日 それ以外は10MB/ファイルで無制限 | 10GB | 10~20GB(1ユーザーあたり付与だが共有) | 1~100TB(1ユーザーあたり付与だが共有) | 30~5TB(1ユーザーあたり付与だが共有) | 1TB |
電話 ビデオチャット |
不可 | 可能 | 単体では不可
APPによる連携必要 |
可能 | 可能 | 可能 |
カレンダー | 単体では不可
APPによる連携必要 時期未定(googleカレンダー連携予定) |
単体では不可
APPによる連携必要 |
単体では不可
APPによる連携必要 |
あり | あり | あり |
備考 | 無料ユーザー数はHITOTSU Asset使用条件や企業との接続数により可変する。医療機関無料枠:50〜200名 10名/3000円(月額)も可能。 |
※2024年6月時点
HITOTSU Linkでの企業との接続
臨床工学技士は、メーカーや卸業者さんとの連絡が他の医療職と比較してかなり多いのではないでしょうか?
しかも、業務が多岐にわたっているため様々な企業に連絡を取ることが可能です。
HITOTSU Linkは企業との接続で無料使用できるアカウント数が増えます。
企業との接続では、メールよりも画像や動画で伝えた方がお互い説明の手間が省けることが多い印象で、実際にテスト段階でそのようなやり取りをしている施設もあったようです。
医療機器ディーラーさんでの実事例も公開されているようです(HITOTSU社ランチョンセミナーで発表された公開資料より)
また、営業の方の移動費用が減少し企業に対してもHITOTSU Linkの企業側費用を考慮しても利益をもたらす結果となっていました。
HITOTSU Linkでの他の医療施設との連携
他の医療施設との連携もできるようで、今後は技士会・DMATといった団体との連携も視野に入れているようです。
近隣施設と連携すれば、災害対策にもなるのではないかと思います。
近年では、SNSでの連絡の方がスピーディに連絡が取り合えたといった報告もされているようで、医療施設のオフィシャルツールとして使用すれば安心してやり取りがしやすくなると思います。
HITOTSU Linkが使用できる端末は?
使用できる端末は、PC(Windows・Mac)・タブレット・スマートフォンが対応しています。
タブレットとスマートフォンでは、公式からアプリが配信されておりダウンロードが可能です。
また、院内や社内での専用端末でダウンロードができない!といったことにも対応できており、PWAというアプリのようにプッシュ通知やホーム画面にアイコンを置くことができる機能も備えています。
このPWAはPCにも有効で、WindowsとMac両方に対応しておりオフィスアプリのようにアイコンを設置することが可能です。
もちろんブラウザからでも利用可能です。Chromeやedgeに対応。
Google Play
A cross-connection tool for the medical industry that elimin…
App Store(Apple)
個人貸与スマホがなくても、様々なパターンで運用ができます。
医療業界特化型チャットツールHITOTSU Linkの導入検討に際し、利用端末に関するご相談をよくお受けします。様々な運…
HITOTSU Linkのセキュリティは?
病院内での情報を扱うため、セキュリティも気になるところ・・・
使用する内容的に外部に漏れる心配が一番だと思います。
HITOTSU株式会社さんは、ISMS認証を受けており国際規格に則った組織における情報セキュリティのリスクを管理する仕組み(体制やプロセス)が構築されています。
また、総務省より「電気通信事業者」の届出がされており、電気通信事業法で義務付けられている外部送信規律も定め、法令を遵守した開発・運営を行っているそうです。
医療業界特化型コミュニケーションツールHITOTSU Linkの導入検討に際し、情報漏えいのリスクに対する懸念の声がよく…
HITOTSU Linkの今後について
今後HITOTSU株式会社さんは、機器管理システムとの連携であったり、患者情報を送信できる「3省2ガイドライン」に対応していくこと、複数施設との連携といった、医療に必要な機能をHITOTSU Linkに搭載される予定で、ますます医療業界に特化したツールになっていくと思います。
現時点でも利用施設は増加していっているとのことですが、医療業界のスタンダードツールとなれば、大手企業との連携や、さらなる機能の拡張が望まれそうです。
HITOTSU株式会社 宛 ※「HITOTSU Hospital」とは、医療業界特化型チャットツール「Link」をご利…
参考文献
2024年6月29日参照
HITOTSU公式 note内,HITOTSU Link/Asset最新情報を一気見![臨床工学科・管理課様向け](随時更新)