ゆっくり膨らます?スローインフレーションについて
今回はスローインフレーションについてです。
シャントPTA時や下肢EVT時のインフレーションの仕方は現在、様々な先生方により研究報告されています。
その中でも最近の研究ではスコアリングバルーンによるスローインフレーションの拡張にて再狭窄期間の延長に効果があるのではないかと言われています。
注意:この方法はAngio Sculpt PTA Balloonの製造販売業者ボルケーノ・ジャパン株式会社 様からの提供されているCASE REPORTで書かれているものです。2018年11月4日
方法
具体的な方法ですが、主に
“2気圧30秒から開始”していき0.5~1気圧ごとに30秒間保持し完全拡張まで繰り返す。
完全拡張後は、その圧を120秒間維持するとされています。
スローインフレーションを行う意味
基本的にバルーンで血管を拡張すると内膜損傷が起こりやすくなります。
再狭窄までの期間をなるべく長くするためにはこの内膜損傷を最小限に抑える事を目標としています。
スローインフレーションはゆっくりとした加圧で拡張に必要な最低限の圧で長時間拡張を行うためこの内膜損傷が抑えられていると考えられます。
最後に
シャントPTAは冠動脈における治療と違い、ステント留置をまず考えない為、バルーンのみで治療行います。
バルーンのみだからこそ様々な拡張法が提案研究されています。
スローインフレーションもその中の一つです。
臨床工学技士もこういった情報をどんどん仕入れて先生に提案していき、ディスカッションを行い患者さんに喜ばれる治療へとつなげていきたいですね。
参考文献
堀田 祐紀 Angio Sculpt PTA balloonを用いた透析シャント狭窄病変の拡張 CASE REPORT Vol.1 No.2 Philps Electronics Japan.LTD
坂田 博美 (2016) 内膜肥厚型の透析内シャント短期債狭窄症例に対するAngio Sculpt PTA Balloonの効果 CASE REPORT Vol.2 No.4 Philps Electronics Japan.LTD
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