VA狭窄の頻回な方でステントを入れられている方が稀にいます。
VA狭窄にステント適用が出来るか?は施設の考え方や都道府県の診療報酬審査により適応・非適応が分かれており、VAIVT時の治療にステントを使う・使わないといった事があります。
ステントを入れる部位も鎖骨下から吻合部近傍など施設によって様々であったりします。
今回は超音波画像診断装置(エコー)で模擬血管内にステントを留置する様子を書いていきます!
使用ステント
ステント留置の流れは、病変部にガイドワイヤー(GW)を通してステントをワイヤーに通して病変部へ留置します。
インデフレーターは病変部についてから脱気(ステントバルーン内)します。
早くに脱気するとバルーンに着いているステントがずれる恐れがあるため。
緑色のワイヤー部がGWになります。
エコー下でステントを拡張!
実際にエコー下でステントを拡張してみました!
まずは、模擬血管内をステントが格納された状態でどう映るかです。
このあたりはバルーンの移動と大して変化はないように思えます。
よく見ればステントの網目のようなものが見えます。
次にステント拡張です!
端からステントが広がっていくのがはっきりと見えました!
今回の模擬血管では病変部が無いためかなりきれいに広がりましたが、実際はもう少し拡張不良部分が出たりすると考えられます。
また、模擬血管径5mmに対し、ステント径3mmとかなりアンダーサイズの為血管とステントの間がスコスコです…
本来は、エコーやIVUS・OCT・OFDIを用いて血管径をきちんと計測してからステントの大きさや長さを決めて留置します。
留置時の画像はこちら
完全にアンダーサイズですね・・・
ワイヤーを抜くとこの様になっており
模擬血管内をふらふら移動していました。
引き抜いたバルーンはこんな形になっています。
ステントが無くなり、バルーンのみになっています。
最後に
今回はステントを模擬血管内で拡張させてみました!
ステント拡張時はいつも透視化でしか見ていないので、今回の取り組みはいい経験になりました!
VAで使用されるステントは冠動脈用以外に下肢や大血管用の物が使用されます。
そちらのほうは、ステント径5mm以上とかなり大きな血管向きとなります。
また、自己拡張型の為バルーンでの拡張をせずともある程度拡張でき外力に対しての強さもあるためVAでのステント治療はこちらのほうがメインではないかと思います。
どちらにしてもステント治療をやる場合は狭窄部と留置部の血管内径や長さの測定が必須です!
エコーやIVUSなどを使用する為、臨床工学技士の腕の見せ所でもあります!