カテーテルの検査・治療時に勤め先では臨床工学技士がセカンドあるいはサードに入る場合があります。
その際デバイスの知識を知っておくことでスムーズな手技進行を行えたり、提案やディスカッションを求められるケースもあります。
僕は本などで得る知識よりも実際にやって得た知識の方が何倍も覚えているタイプなので、デバイスに関する知識も実際に自分が見て触って得た経験をもとに覚えていったりしています。
ですが、実際に治療の現場で気軽に試せるものではないので業者さんにお願いしたり、治療で使用した物を洗浄消毒を行いデバイスの知識を深めています。
今回はそんな心臓血管カテーテル検査等のデバイスを気軽に試せる血管ファントムを自作してみました!
100均で出来る!?自作血管ファントム
前々から100均商品でこれは自作に使えそうと思っていた物の一つに「おゆプラ」と呼ばれる、プラスチック粘土があります 。
今回はこちらといくつかの100均で買える材料を使って作成します!
必要材料
- おゆプラ×5個(色はクリアにしました)
- アルミ・スチールワイヤー(各20cm位にカット。3.0㎜×1本・2.0㎜×1~2本・1.6㎜×1~2本)
材料はたったこれだけです。(ストローが写っていますが使いませんでした…)
作成方法
- 耐熱容器におゆプラを全て入れ、沸騰したお湯を注ぎ3分待ちます。
- おゆプラを取り出し一つの塊にします。(固まってしまうので手早く!)
熱いので注意!
- 塊にできたら今度は2㎝程度の厚みの四角形に形を整えます。
この時冷めて固くなってきたら再度先ほどのお湯へ入れて柔らかくします。 - 形を整えたら再度新しい80℃くらいのお湯の中に入れ(1分程度)、少し柔らかくします。
- 3.0㎜のワイヤーを、形を整えたおゆプラの壁面真ん中から突き破るように刺します。
- 3.0㎜のワイヤーに当たるよう好みの角度から2.0・1.6㎜のワイヤーをおゆプラの壁面から刺していきます。
うまく刺さらなければお湯で柔らかくしてください。 - 少し冷まして(柔らかさが残る程度)3.0㎜のワイヤーを引き抜きます。
固ければお湯に入れてみてください。 - 3.0㎜のワイヤーがつけた跡を2.0㎜・1.6㎜のワイヤーが貫通して中に入るよう調整し、残ったワイヤーを引き抜きます。
- 自然乾燥させ、カチカチに固まったら完成です!
完成した物がこちら!
見てくれが超絶に悪いです・・・
これは上記やり方に至るまで試行錯誤したためです。
実際にワイヤー等を通してみた!
実際にPCIで使用するガイドワイヤーやシース・ガイディングを通してみました!
写真の写りが悪いですが、スルスルといい感じで入りどの位置にデバイスの先端が来ているのかクリアな材質の為わかりやすいです。
穴が大きすぎた感じがするので2.0㎜のワイヤーを本幹にしてもよかったかもしれません。
血管内光断層撮影用カテーテルの形状見本があったので試しに撮影してみました!
良い感じに写ってくれています!
側枝として入れてみたワイヤー跡はこのようになっていました!
また、VAIVT用バルーン(4.0/40mm)のインフレーションにも耐えられる固さ(NPまで)にもなっていました。
エコーは写るのか?
本幹に水を通して上からゼリーを塗り内腔が写るか見てみました。
やや見ずらいですが、内腔が見えるのとシースの先端も写すことが出来ました。
最後に
今回は血管ファントムを100均商品で作成してみました!
合計800円+税とお手軽な値段で出来たのではないでしょうか?
ワイヤーの他に竹串なんかでやっても面白いかもしれません。
激細の血管を作成し、通過性のいいバルーンやデバイスを探してみるのも面白そうです。
おゆプラは固まってもシリコンのように埃がつくわけではなく、お湯に入れない限りは形が崩れないぐらい固くなるので使用後は簡単に清掃ができます。
デバイスについて新人教育や自分自身の知識の向上のために作成してみてはどうでしょうか?