OFDIの特殊機能

前回、OFDI/OCTについて解説しましたが、今回はOFDIの特殊機能について解説します。

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OFDIには様々な便利機能が備わっており、それらを駆使することで臨床の診断の助けになることができます。

 

カテーテル:Fast Viewの特徴

OFDIのカテーテルはFast Viewが使用されます。(2020年5月時点)

有効長:137㎝
マーカー先端部の外径:2.7Fr
distal fixed markerよりさらに先端の不透過部分5mm
Lens markerはdistal fixed markerから19mm後ろにある。
この為、透視の際にマーカーは2つ見えます。

カテーテル内が閉鎖腔となっている為、OCTのようなカテーテル内のプライミングは不要とされる。

なんでも屋ME
勤め先では、カテーテル鞘部分からヘパリン化生理食塩水を流して終了としてます。

 

コンソールのスペック

フレームレート:158f/s
プルバックスピード(mm/sec):20・40(5㎜ごとの変更可能)
プルバック長:最大150mmで任意の数字に設定可能

設定や数値入力はキーボードを用い、ワイヤレスマウスでポインタを動かします。

あまり使わないと、マウスの電池切れが起こるので使用後は電源OFFにしています。

記録はUSB端子があり外付けハードディスクやDVDメディアに書き込みが可能です。
高品質な画像の為、容量が大きいものを使うことをお勧めします。

 

OFDIソフトウェア機能

OFDIのソフトウェアは2012年にVer1.0が発売されて以来改良が重ねられ、2020年5月時点でVer1.2が最新とされています。

Ver1.2では様々な機能が追加され、診療の補助や使用する臨床工学技士の助けになる物があります。

 

全フレーム内腔トレース

Ver1.2~対応

自動キャリブレーションが行われ、OFDIのプルバック記録終了後にカテーテルの外側を検出し全フレームを補正します。レビュー画面への以降に多少もたつきますが、全フレームの内腔が自動で計測されておりステントサイジングに必要な内腔径・ステント長・MLAが判定できます。

なんでも屋ME
勤め先では解析に時間がかかるため自動計測をOFFにしてます。
便利だとは思いますが、長い病変ではやや使い辛い・・・
短い距離の記録では有効だと思います!

アンギオ同期(Angio Co-Registration)

Ver1.2~対応

内腔計測時に記録時のアンギオ画像が表示される機能で、現在表示中の場所がアンギオではこの辺りを写していると知ることができます。

この機能を使う際は、あらかじめサービスマンによる調整が必要。見てたらこちらでもできそうではありましたが・・・

また、アンギオ映像を機器に入力するためのケーブルなど必要なものもありカテ室の構成上物理的に難しい施設もあるかもしれません。

ですが、使ってみるとこの機能ほんと便利でプルバック中の画面とアンギオ画像が同時に見れない勤め先のカテ室では計測がとてもしやすくなりました。

経験が少ない人こそ使ってほしい機能だと思います。

 

Angio jump

Ver1.2~対応

上記アンギオ同期使用前提の機能です。

アンギオ同期を機能して、レンズマーカーを強調表示(ACRをクリック)にします。(強調はON/OFF可能)

OFDI画面でのアンギオ画像上の血管に確認したい部分へポインタを合わせクリックするとOFDI上の位置を予測して表示します。

なんでも屋ME
勤め先では未経験。
詳しい手順は少し複雑です。
ここ!ってところをすぐ見れるのは便利かも・・・

3D画像再構築機能

長軸画像を3D化する「Vessel view」と長軸画像を開いた状態で表示する「Carpet view」があります。

Ver1.2からは3D構築に新アルゴリズムが採用されてステントとガイドワイヤー(GW)の強調を改善しています。また、3Dイメージの操作性もよくなりました。

Vessel viewでは血管の走行がわかりやすく、Carpet viewではステント全体を抽出することでステントリンクの位置が容易となりGWの通過位置との関係がわかりやすくなります。

使用するにはプルバック記録が必要で、3D処理に時間が少しかかります。

画像はカテーテルの鞘内での映像です。
実際はステントなどもきれいに描写され、設定によってはステントのみなどもできます。

Vessel view

 

Carpet view

 

2画面表示機能

記録した2つのプルバック画像を2画面に分割して同時再生します。

主な使用方法は、治療前後での比較となります。

Ver1.2からはMLA表示や動画の出力も簡単になっています。

動画はカテーテル鞘内の映像です。

動画は鞘の映像なので変化がないですが、実際は変化があり同時に再生することでわかりやすくなります。

最後に

今回紹介した機能はOFDIの主力・特殊機能です。

IVUSと写り方が違うため慣れていないと混乱してしまいますが、個人的にはカテーテル業務初心者の技士はIVUSよりもこちらのほうがやりやすいように感じます。

まだまだ普及台数が少ないOFDI/OCTですが技術や知識として知っていれば役立つ場面が多くあると思います。

 

参考文献
志手淳也,PCIで使い倒す OCT/OFDI徹底活用術[大阪済生会中津病院編],2019.4.1
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