シャントPTAで使用されるバルーンの特徴

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カテーテル治療
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バルーンの種類と特徴について

今回はシャントPTA時に使用されるバルーンの特徴と種類です。

世の中にはいろいろなバルーンがありそれぞれに特徴があります。

バルーンの区分

PTAに使用されるバルーンは保険区分では4つに分かれています

 

  • 一般・標準型
  • 一般・特殊型
  • カッティング型
  • スリッピング防止型

 

それぞれの特徴ですが、

一般・標準型はカテーテルのシャフト(ワイヤーやバルーンを膨らます造影剤が通る管)が3.9Fr以上のもので主に5Fr以上のシースを用いて使用されます。

 

一般・特殊型シャフトが3.9Fr以下のものとなっており4~6Fr程度のシースを用いて使用されます。

 

カッティング型・スリッピング防止型は後で詳しく書いていきます。

 

※2018年10月情報

償還価格はカッティング型>スリッピング型>一般・特殊型>一般・標準型の順に価格が違います。

ですので、なるべくコストを下げたいとき(例えば3か月以内のPTAなど)は一般・標準型を使用する場合があります。

※注意:一般・標準型だからといってバルーンの質が悪いわけではありません。

 

上記はあくまで保険区分ですが、PTA時のバルーン使い分けはバルーンの硬さで選ばれるパターンが多いです。

 

固さによる違いとそれぞれのバルーンの種類と特徴

主にシャントPTAで使用されるバルーンはセミコンパウンドバルーン(通称:セミコン)で比較的推奨拡張圧(Nominal Pressure:NP)が低いことが特徴です。だいたい6~12atm

そして柔らかいため、通過性がよく屈曲部にも適しています。しかし、柔らかいがゆえにNPを超える圧をかけるとバルーンサイズが大きくなっていきます(例:5㎜のバルーンがNPを超えた圧では5.5㎜になる)

また、固い病変部に使用するとドックボーン現象(一部だけ凹んで周りは膨らんでいる状態)になる場合があります。この状態の何が悪いかというと、圧力は凹んでいる部分に強くかからず膨らんでいる部分にかかりやすくなります。

 

次にセミコンで拡張しきれない病変部(石灰化など硬い病変部)はノンコンプライアントバルーン(通称:ノンコン)が使用されます。

ノンコンはセミコンと比較して最大拡張圧(Rated Burst Pressure :RBP)が高くだいたい20~30atmまで上げることが出来ます。硬いがゆえに通過性は悪く屈曲部へは適していません。どんなに圧を上げてもバルーンサイズはあまり変化がないのが特徴です。

 

セミコン・ノンコン特徴まとめ

セミコン:柔らかく屈曲部などの通過性が良い・NPを超えるとバルーンサイズが大きくなる。固い病変部には不向き。

ノンコン:硬く通過性が悪いが高圧をかけられる・RBPまであげてもバルーンサイズに変化はない。固い病変部に対応できる。

 

 

特殊なバルーン!カッティング型とスリッピング防止型

カッティング型・スリッピング防止型は主に繰り返す狭窄や、強度の内膜肥厚部や石灰化に使用されます。

 

カッティング型バルーンに刃がついており、長さが短く再挿入は禁忌とされています(ブレード脱落の恐れがあるため)。肥厚部や固い病変部に対し鋭い切れ込みを入れることで拡張を行います。

使用する際は血管径よりも小さいサイズを選ぶこととされています。(大きすぎると血管が破裂する恐れがある)

 

スリッピング防止型はカッティング型と同じようにバルーンにエレメント(刃ではなくワイヤー)がついておりカッティング型と比較して長さは20~40㎜程度で大きさは4~7㎝とサイズが豊富です。

その名の通り、エレメントにより拡張時にバルーンのスリッピングを防止します。

また、メーカーによりエレメントの大きさや形が違います。

スコアリングバルーンと呼ばれていたりもします。

 

このようにバルーンにはいくつかの種類があり一つ一つに特性があります。

以上が大まかにわけたバルーンの種類と特徴となります。

 

 

なんでも屋ME
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そこで疑問、臨床工学技士にバルーンの知識はいるの?

 

臨床工学技士がバルーン選定に関わるべきなのか?

これに関しては自論ですが、シャントPTAに関わる医師が必ずしも透析患者を常に診ている医師とは限らず他科の先生へお願いしている場合があり、病変部の状態などの情報やデバイスの詳しい情報を持っているとは限りません。

そこで工学的分野の知識がある臨床工学技士とデバイスに詳しい医療材料メーカーもカンファレンスに加わり治療方針について話し合うことでより良い医療が提供できると思っています。

実際に当院ではシャントPTAを行う際は治療前にミニカンファレンスのようなことを行い、バルーン選定について大まかに話し合いがもたれます。その後治療へ移り造影画像を見て再度話し合い、使用するバルーンを決めます。また、バルーンによっては効果的なinflateの方法も違ったりするのでそのあたりも話し合ったりもします。(この辺りはまた書きます)

なんでも屋ME
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前情報(エコーなど)でかなり詳細に病変部がわかるシャントPTAだからこその方法ですが

最後に

臨床工学技士は、患者にあった最適なデバイスを医師に提案していくのも仕事の一つではないかと思っています。

そのうえで治療に使用される医療材料の特性は知っておかなければならない情報の一つではないでしょうか。

 

 

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