シャントPTA時の必要情報まとめ

今回はシャントPTA(VAIVT)時に必要な情報まとめです。

エコーや理学所見で狭窄・閉塞が疑われ、PTAになった際にドクターに報告を行いますが、その際にレポートに付け加えられると治療する際にありがたいと思われる情報を紹介します。

 

 吻合部から狭窄部までの詳細な血管走行

これはほとんどの施設がエコー検査報告書で書かれていると思いますが、例えば自施設外へお願いするときに前情報として与えられるだけでどこを治療してほしいかの目星がつき確認のための放射線被ばくや造影剤の使用量が減らせます。

また、静脈弁の場所も明記しておくとワイヤー操作時に役立ちます。

自施設で治療する場合は狭窄範囲にマーキングしておくのもありだと思います。

 

シースの挿入予定箇所

治療をする際に必ずシース(血管内へワイヤーなどデバイスを入れる為の管)が挿入されます。

その時どの辺りから・どの向きでといった事が重要になってきます。

もしシースが狭窄部にかかってしまうなら治療はできませんし、蛇行した血管に留置した場合はデバイス操作が困難になります。

その為に、病変部までの距離がある程度離れていて尚且つ蛇行が少ない血管を留置部として選択します。

ちなみにシャントPTAで使用されるシースの有効長は3㎝程度です。

 

狭窄部の前後径計測

狭窄部の血管径だけではバルーンの大きさを決めることができません。

大体は造影で大まかに大きさを判断しますが、最近のVAIVT研究では血管径に対してちょうどの大きさもしくは1㎜程度大きいバルーンを選択すると、内膜損傷が抑えられ開存率の増加が見込めるとの報告があります。

その為、前もってエコーで狭窄部前後の血管径を測っておくと過度の内膜損傷が抑えられます。

また、カッティングバルーンを使用する場合は血管径よりも大きいと血管が破裂してしまう恐れもあるため使用の際は安全のため必ず血管径を測るべきだと考えられます。

 

狭窄の種類

施設によって考え方がいろいろあるため正解はありませんが、当院では狭窄部の種類によってバルーンを選択していきます。

例えば内膜肥厚が強い狭窄ならNSEやAngioSculptのようなスコアリングバルーンを使うといったように、内膜肥厚や石灰化など造影ではわからない情報が重要になってきます。

 

前もってこれらの情報が得られていればデバイスの数・被ばく量や造影剤使用量といった事が減らすことができます。

シャントPTAは患者さんにとってかなりの苦痛になります。

必要な情報を報告して、少しでも長持ちしてもらうようないい治療を目指しましょう!

 

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