短軸と長軸を使い分けて病変を観察!
シャントエコー2回目です!
今回はプローブの当て方による画像の違いと、病変部の種類です!
プローブの当て方を使い分けよう!
血管に対してプローブの当て方は2通りあります。
それは、短軸と長軸です!
短軸画像
短軸画像は血管を輪切りにしたような画像になるのが特徴です。
丸い円になっているのが血管です。
プローブの当て方はこんな感じ・・・
短軸はプローブによる血管の圧迫で変形するのを見て取れるため、血管径を計測するときに使用します。
長軸画像
長軸画像は血管が縦に切れた断面映像となります。
野菜の短冊切りみたいになってます。
プローブの当て方はこんな感じ・・・
長軸は主に血管の状態(狭窄の長さやタイプ)を見るのに使用します。
シャントエコーではこの二つの見え方、短軸と長軸を駆使して検査をしていきます!
当院では2画面にして、左側短軸画像・右側長軸画像として1枚の記録用紙で両方見れるようにしています。
病変部の変化を観察!
次に病変部の見え方です。
VA狭窄は大きく分けて4つの型に分けられます。
内膜肥厚型
黄色の部分のように血管内に盛り上がった組織が見られるのが特徴です。肥厚部は一部分であったり、血管内全周囲に広がっていたりと様々です。主な原因は渦流やジェット流による内膜刺激・PTA(経皮的血管形成術)によるバルーン刺激があげられます。
血管収縮型
血管壁も含めて細くなるのが特徴です。
主な原因は穿刺ミスによる血腫からの圧迫・止血操作などの強い圧迫等”血管に対して圧力”が加わることで起こりやすいです。※これらの原因とは無関係の部位でも起こり得る現象です。
石灰化型
石灰化病変は進行具合により見え方が異なります。
強い石灰化病変は図のように石灰化病変部より下に超音波を通さないため”黒抜け状態”となり血管内部評価が出来ません。
また、血管内に白く光る石のようなものが出来ている場合もあり、その隙間を血液が流れていたりします。
主な原因はP・Caコントロール不良です。また、長期透析歴患者の吻合部付近に見られることがあります。
混合型
①~③の病変が含まれた状態で、主に内膜肥厚と血管収縮が同じ狭窄部に出来ている状態が多いです。PTA頻回部位に多く見られます。
他にも、血栓やグラフトキンクなど様々な病変があります!
参考文献
春口洋昭編 (2011-2013)『バスキュラーアクセス超音波テキスト』P149 医歯薬出版株式会社