シャントエコー初心者から中級者へ向けたコツや小ワザ・テクニック

シャントエコーの当て方や測定方法なんかがわかってくると「どのようにすればもっとキレイに画像が写せるだろう?

もっと測定時間の短縮を図りたい!」といったことを思ってくると思います。

今回は、そんな初心者~中級者の人たちへの向けたアドバイス的な内容です。

 

シャントエコー測定時に使えるちょっとしたテクニック

プローブコードが邪魔!

プローブのコード・・・検査している人にはわかると思いますがこのコードの微妙な重さが気になったり、測定時の邪魔になったりします。

なんでも屋ME
コードレスにならないかな~

そんな時は、測定者の首にかけてみて下さい!

こうすることで、コードの重さが気にならなくなったり邪魔になり辛くなるのでお勧めですよ!

 

 

 

コロコロ動く上腕動脈に対しての測定

ある程度シャントエコーの数をこなしてくると見つかる「コロコロと動く上腕動脈」。

いつもの測定感覚で行っていると少し難しく感じることがあります。

なんでも屋ME
上手く長軸に合わせられない!
このような血管は痩せている高齢者に多い気がします。
そんな時は、測定中の腕を外側や内側へ動かしてみて下さい!
そうすることで動きが収まる場合があります。
それでもまだ動く!という場合は、プローブは親指と人差し指のみで保持し、残りの指で血管が動かないように固定したりしましょう!
また、そういった血管は肘よりやや上か上腕の真ん中程度のところで測定している場合が多いので思い切ってさらに上部へ測定部位を移してみることも有効だと思います。

上腕動脈の測定に時間がかかる

シャントエコーの鬼門だと思われる上腕動脈のFV/RI測定・・・(あくまで個人的感想)

慣れないうちは測定に時間かかってしまい全体の検査時間が長くなってしまうことがあります。

これに関しては数をこなすことによってある程度改善するのですが、「画面上の微調整の操作回数が多い」というのが後輩の測定現場を見ていて思うことがあります。

画面の微調整を行っている際にせっかく長軸で合わせられていたのに画面に気をとられて測定部位がずれてまたやり直し・・・その繰り返しで時間がかかっているようなことが多いと思います。

画面上の微調整とは、

  • サンプルボリュームの幅
  • 角度補正
  • カラードプラのON・OFF

などです。

ぼくがやっている方法では画面の微調整はあまり行わないように工夫しています。

まず、カラードプラを起動させ「流れが安定している動脈」を探し、見つけたらOFFにします。

次に、短軸状態でサンプルボリュームを合わせます。この段階で合わせることで長軸時の微調整を行わないようにします。

角度補正に関しては、最近の機種はほとんど60°補正がデフォルトになっていると思いますので行わず、長軸画像がずれているようであれば「機械で合わせる」のではなく「測定者が機械に合わせる」ようにプローブの操作を調整します。

そしてこの後測定ボタンを押して波形のベースラインや大きさを合わせるのですが、慣れていないとこの時にもずれてしまうことがあるのでその場合は2人一組で画面操作をお願いしてもいいかもしれません。

また、最近の機種ではワンタッチで最適にしてくれる物もありますのでそういった機種を使用するのもありだと思います。

 

 

吻合部が長軸で上手く写せない

吻合部は人によって様々なつなぎ方をしているのでなかなか測定も安定しなかったりします。

理想的な吻合部長軸描写(側側吻合の場合)は図のような感じだと思います。

ですが、このように単純に吻合部へプローブをのせただけで写し出せる人はごくわずかだと思います。(稀に一発で写せる人がいますが…)

吻合部をキレイに写すにはまず短軸画像で吻合動脈とシャント静脈が重なっている場所(吻合されている場所)を探します。

大体の人が図のような形で写し出されると思います。

 

動脈・静脈の左右逆などもあります

 

この状態で長軸にすると、吻合動脈とシャント静脈が重なった画像にしかならないので図のようにプローブを吻合部の側面へ当てます。

 

 

すると短軸画像では、このようになります。

この状態で、長軸画像にすることで「理想的な吻合部の長軸画像」にすることができます。

ですが「吻合部は人により様々」な為、必ずしもこの方法がうまくいくとは限りません。

患者さんの吻合状態にあったやり方を模索する必要があります。

今回はその一例です。

 

最後に

今回はシャントエコーの小ワザ的なものを紹介してみましたがいかがだったでしょうか?

他にもいろいろな方法があると思います。

今後も面白い方法や改善方法など見つけたりしましたら紹介していこうと思います!

 

 

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