医療機器のクラス分類

医療機器を管理する上で必要になってくる「クラス分類」。

このクラス分類が上位なものほど点検や使用者に対しての講習を必要とします。

最近では医療機器管理システムへの登録にもこのクラス分類が用いられており正しく読み取る必要があります。

 

医療機器のクラス分類

医療機器のクラス分類は、主に添付文書を見れば記載されています。
ですが、クラスⅠなどとは記載されておらず、一般医療機器といった記載になっています。

2023年時点での医療機器のクラス分けは下記の通りとなっています。

クラスⅠ:一般医療機器
例:鉗子や救急絆創膏等

クラスⅡ:管理医療機器
例:心電図モニタ・透析用留置針・輸液ポンプセット等

クラスⅢ:高度管理医療機器
例:生体情報モニタ・血液透析監視装置・人工呼吸器・ダイアライザ等

クラスⅣ:高度管理医療機器
例:植え込み型ペースメーカ・冠動脈ステント・中心静脈カテーテル

クラスが高くなるほど身体へのリスクが高くなります。

クラスⅣは体内に埋め込まれる、または長期間留置して使用される製品が多く分類されています。
クラスⅢは生命維持管理装置が多く、臨床工学技士が関わる機会が多いです。

心電図モニタと生体情報モニタ

これらは、似たような情報をモニタリングできるにもかかわらず、クラス分類が違います。

心電図のみだと、クラスⅡの分類。
ベッドサイドモニタなどの生体情報モニタは、心電図のほかに血圧やSpO2・CO2など得られる情報が多いのでクラスが上になっています。

このように、一見同じ用途に使用さることがある機器でも「情報量」の違いで分類が変わります。

 

特定保守管理医療機器とは

保守点検や修理・管理に専門的な知識や技能が必要な機器。

適正な管理ができていなければ、診断・治療・予防に重大な影響を与える機器。

厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいうとされています。(薬事法第2条第8項)

臨床工学技士が定期的に点検する医療機器のほとんどが該当しています。

 

設置管理医療機器とは

特定保守管理医療機器のうち設置にあたって組み立てが必要なもの。

保健衛生上における危害の発生を防止するため、組み立てにかかる管理が必要とされ厚生労働大臣が指定する医療機器となっています。(薬事法施行規則第93条)

代表的な機器で言えば、透析液供給装置やX線CT装置が該当しています。

 

クラス分類による製造販売業

医療機器を企業が国内で取り扱うには薬機法に従って、都道府県の許可を得る必要があります。

医療機器の全ての責任を負うのは、製造販売業者(ライセンスホルダー)でありクラスによって扱える販売業者の資格が異なります。

クラスⅠ:第3種製造販売業

クラスⅡ:第2種製造販売業

クラスⅢ・Ⅳ:第1種製造販売業

第1種の資格を持っていれば、第2・3の資格を満たしているとされています。

 

医療機器を販売などするには

クラス分類別に、届出や許可が必要です。

クラスⅢ以上の高度管理医療機器および特定保守管理医療機器:許可制

クラスⅡ管理医療機器:届出制

クラスⅠ一般医療機器:手続は不要

 

医療機器を修理するには

医療機器の修理業の許可は、特定保守管理医療機器および特定保守管理医療機器以外の医療機器について9区分にわかれています。
特定保守管理医療機器9区分特定保守管理医療機器以外の医療機器9区分合計18区分に分類されています。

第1区分:画像診断システム関連
第2区分:生体現象計測・監視システム関連
第3区分:治療用・施設用機器関連
第4区分:人工臓器関連
第5区分:光学機器関連
第6区分:理学療法用機器関連
第7区分:歯科用機器関連
第8区分:検体検査用機器関連
第9区分:鋼製器具・家庭用医療機器関連

 

臨床工学技士から、医療機器を修理依頼することは多くありますが、依頼先が該当製品の修理行の許可を持っているか確認する必要があります。

 

 

参考文献
認定医療機器管理臨床工学技士検定委員会,認定医療機器管理指定講習会テキスト,公益社団法人日本臨床工学技士会,平成30年10月14日

 

最新情報をチェックしよう!