皆さんの施設では電気メスの定期点検はどのようにされていますでしょうか?
自施設でやっている!というところもあれば、
購入後から業者任せ・・・
購入後から放置・・・(これが一番やばい!)
いろいろあると思います!
当施設もながらく臨床工学技士が関与せずにいましたが、ここ最近修理依頼もあり臨床工学技士が定期的に管理していく医療機器になりました。
そこで必要になってくるのが定期点検に必要なチェッカーです。
外見やコード類の被膜破れなどの点検は目視などで可能ですが、電気メスは出力特性・高周波漏れ電流測定を定期的に見ておかなければなりません。
今回定期点検に使用しているQA-ESⅡと呼ばれるチェッカーの使用方法紹介をしていきます。
電気メスチェッカーQA-ESⅡ使用方法
出力特性の測定
電気メスには出力(W)によって切開や凝固あるいは両方(混合モード)の強さが変化します。
機種によっては設定値があり、それを選んで使用しますが中にはマニュアルで出力を変えれたりもします。
出力特性の測定は、設定された出力が正しい範囲内の力を出せているかを測定する項目です。
この出力特性の正常値は機種によりバラバラで取り扱い説明書に「出力特性表」として明記されていることがほとんどですので確認をしておきましょう。
QA-ESⅡ出力特性の測定方法
- 画面左半分(STATUS)内にあるModeの横に*が来るようにF2を押していく。
- Cont Oper(連続操作)になるようエンコーダ・ノブを回しEnterを押す。
- F2を押して画面左半分(STATUS)内にあるLoad(負荷抵抗値)の場所に*を移動させる。
- エンコーダ・ノブを回し任意の抵抗値(機種により違う!)に設定しEnterを押す。
- 機器の設定が出来たら、START(F3)を押して測定。
測定値は機器の通電が行われている間のみ表示される。
通電されていれば、RF-DETECTのランプが点灯する。 - 画面右(RESULT)のPower(W)が表示されたらSTOP(F3)を押してこの値を記録し正常値か判断する。
高周波漏れ電流測定
高周波漏れ電流の正常値はJISにより定められています。
JIS T 0601-1:2017ー第1部基礎安全確認及び基本的性能に関する一般要求事項(閲覧はログインが必要)
改訂もあるのでその都度見直しを!
2021年1月では正常値150mA以下となっています。
高周波漏れ電流の測定方法
- 画面左半分(STATUS)内にあるModeの横に*が来るようにF2を押していく。
- RF Leakage(高周波漏れ電流)が表示されるまでエンコーダ・ノブを回しEnterを押す。
- F2を押して画面左半分(STATUS)内にあるLoad(負荷抵抗値)の横に*を移動させる。
- エンコーダ・ノブを回し負荷抵抗値200Ω(すべての機種で固定)に設定しEnterを押す。
- 機器の設定が出来たら、電気メスを通電させた状態でSTART(F3)を押す。
- 画面右(RESULT)のCurrent(mA)が表示されたら通電を止め、この値を記録し正常値と比較する。
使用してみての感想
最近のテスターにしてはかなり大型で表記も英語とあまりユーザーフレンドリーではないです。
また、出力と高周波漏れ電流を同時に行うような機能もないためその都度設定変更も必要になってきます。
ただ、使用方法に慣れてしまえば一台当たり数分で終わらせることも出来るのでこの辺りは慣れの問題かと思います。
チェッカーもどんどん便利になっていき、PCへ出力出来たりと進化していっているので今後さらに便利なものが出てくるかと思います。