臨床研究で必要な倫理委員会について

臨床工学技士として業務を行っていくと、業務中にいろいろな疑問点が生まれてきます。

その疑問点を無視せず考え、検証する事を研究と称します。

研究を行う上で病院での決まりや論文投稿などのを考えた際に必要な項目として、倫理委員会の承認というものがあります。

今回は勤め先での倫理委員会について解説していきたいと思います。

 

研究を行うために必要な委員会「倫理委員会」とは

研究を行う上で倫理委員会の承認は法律上の決まりというものはありません。

ですが、ヘルシンキ宣言と呼ばれる「人を対象とする医学研究の倫理諸原則」というものがあり世界各国の倫理的規範となるような文書があり、日本においてもこれを踏まえて個人情報保護の議論なども交え厚生労働省による臨床研究に関する倫理指針が出されています。

特に研究内容で「侵襲」や「介入」を行う際は、自身を守るためにも第3者(倫理委員会)が研究計画を見る事が重要だと個人的には思います。

参考文献

ヘルシンキ宣言, Wikipedia, 閲覧日2019.12.29

勤め先での倫理委員会

提出物

病院やクリニックごとにシステムが異なるので、今回は自分が勤めているシステムの事を書いていきます。

まず提出物として以下があります。

  • 研究計画書
  • 研究説明書
  • 同意書
  • 倫理委員会申請用紙

大きく分けて、上記4つが必要となります。

研究計画書とは

研究の目的や概要や病院への利益性・方法・研究期間・対象の選定方法・経費コスト・結果発表方法・協力病院や会社の有無・協力病院や会社の選定理由・同様研究の先行事例の有無

これらを簡潔的にまとめた物を用意します。

 

研究説明書とは

研究説明書は主に対象者(患者さん)への説明に用いられる用紙で、出来るだけわかりやすく専門用語などを極力使用しないで説明できるよう書いていきます。

主な内容は、研究概要・目的・方法・研究期間・プライバシーの保護・予想される不利益・同意の撤回についてわかりやすく書きます。

施設によっては、プライバシーの保護・同意の撤回部分はテンプレート化されていると思われます。

勤め先では患者さんに渡す用紙でもあるので、専門用語を用いる際は説明文も入れるように指導を受けました。

また、苦情などを受け付ける連絡先(病院などの代表電話番号など)を明記しています。

 

同意書

研究に関して上記説明文を用いて同意を得た証として、直筆のサインや印鑑を記入してもらうようになります。

同意書の内容は、研究説明文書と同様でなければなりません。

 

倫理委員会申請書

これは勤め先により違うと思います。一例として自身の勤め先での例を挙げておきます。

内容は、申請要件・倫理委員会の承認を得る範囲(所属部署・個人・担当医師など)・実施する研究内容(概要でよく詳細は別紙とする)・実施する場所(範囲)・実施責任者と担当医師(担当医師は内容によって書かなくてもよい)・医学的倫理的配慮(個人の人権・対象者への同意を得る方法・個人への不利益・医学的有益性・代替え療法の有無)

僕は申請時医学的倫理的配慮の項目の個人の人権は、プライバシーの保護や同意の撤回が可能かについてを記載していました。

 

上記提出物の他に、稟議書や共同研究であれば研究依頼書・特殊な機器を使用するのであればその説明書などを添付書類として提出します。

倫理委員会で研究者自身が説明をする?

これは施設の考え方にもよりますが、勤め先では提出物を精査して内容に疑問があれば呼ばれるそうです。

本来は研究者自身がプレゼン的なものをするものかなと思っていますが、委員会のメンバーは医師や管理職の方たちといった忙しい人たちなので当事者でなくてもわかるような計画書や説明文を用意する必要があります。

また、メンバーには以下の指針があります。

倫理審査委員会は、学際的かつ多元的な視点から、様々な立場からの委員によって、公正かつ中立的な審査を行えるよう、適切に構成され、かつ、運営されなければならない。
    1.  倫理審査委員会は、医学・医療の専門家等自然科学の有識者、法律学の専門家等人文・社会科学の有識者及び一般の立場を代表する者から構成され、かつ、外部委員を含まなければならない。また、男女両性で構成されなければならない。
    2.  審議又は採決の際には、自然科学分野だけではなく、人文・社会科学分野又は一般の立場を代表する委員が1名以上出席していなければならない。
    3.  臨床研究機関の長など審査対象となる臨床研究に携わる者は、当該臨床研究に関する審議又は採決に参加してはならない。ただし、倫理審査委員会の求めに応じて、会議に出席し、説明することはできる。

臨床研究に関する倫理指針 第3倫理委員会 平成16年12月28日(全部改正) 厚生労働省

 

最後に

仕事をする上で発表をするとき抄録登録を行いますが、その際倫理委員会の承認を経ているかの欄が出てきたりしています。

発表自体に承認の有無は必要がなかったりしますが今後は必須になってきたりするかもしれません。

また論文などの投稿で、掲載紙によっては「承認必須」となっているものもあるので勤め先でそういった委員会があるのであれば承認をもらっておくことが重要になってきます。

ちなみに僕の施設ではなぜか看護師のみの倫理委員会があったりして、看護師以外が提出できる倫理委員会の存在を最近まで知らされていませんでした・・・

なんでも屋ME
今まで論文投稿など技術職ではなされてなかったから?

理由は不明ですが、僕は今回初めて提出してみたのでどのような結果が待っているのかドキドキしてます。

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