残留塩素測定器のハンディ水質計アクアブAQ-201を使用してみました!

お久しぶりの更新になってしまってますが、今回透析で使用するRO水や透析液の残留塩素の測定で使用できるハンディ水質計アクアブAQ-201の使用感を書いていきたいと思います。

 

今回紹介の機器は医療機器ではありません。

 

ハンディ水質計アクアブAQ-201

この測定器はDPD法を用いて、2.00㎎/Lまでの残留塩素濃度を測定できます。

また、別売のヨウ化カリウムを使用することで総残留塩素濃度も測定が可能です。

こんな感じのケースに収納されています!

機器自体はこのような形で、上部のカバーを外して試料セルを入れます。

試料セルは2個入っています。

 

起動にはアルカリ乾電池単四が四本必要です。

 

使用方法

遊離残留塩素の測定方法

  1. 電源をONにする。ディスプレイの表示が消えている状態でいずれかのキーを1回押すと、電源がONになります。
    電源ON直後は測定モードとなっています。
    前回のゼロ点認識値を記憶している場合は画面にZEROと表示されます。すでに測定値を保存していた時も同様。
  2. 試料セルに検水10ml(試験管の目安線まで)を採取し、キャップを閉める。
  3. キレイなウエスなどで素早く試料セルの汚れや水滴をふき取る。
  4. 測定カバーを開き、試料セルを測定室にセット。
    この時、試料セルと測定室の三角マークを必ず合わせる。
  5. 測定カバーを閉じてZEROキーを押す。
  6. 2秒間の認識処理後、ディスプレイに「0.00mg/L」と数値上部にZEROの表示が出たらゼロ点認識が完了。
  7. ゼロ点認識後、測定室より試料セルを取り出し検水に「DPD粉体試薬」を投入。

    その後、キャップを閉めて試薬が溶けるようによく振る。
    ゼロ点認識が出来ないと濃度測定は出来ません。

    塩素があればこのように変化します。(今回は水道水)色の濃さでもある程度濃度がわかりますが、時間経過で変化するのと主観評価になるので数値が人によりまちまちだったりします。
  8. キレイなウエスなどで素早く試料セルの汚れや水滴をふき取る。
  9. 試薬を入れて反応させた試料セルを試料セルと測定室の三角マークに合わせてセット。
  10. カバーを閉じてMEASキーを押す。
    試薬を入れてからMEASキーを押すまで5秒以内に行う。

    なんでも屋ME
    5秒って短いと思いますが、操作自体は慣れればすぐ終わりますよ。
  11. 2秒間の測定処理後、濃度測定値を表示します。
    測定中にオートOFF機能が働いて画面表示が消えた場合は、いずれかのキーを押すと復帰する。また、直前に認識させたゼロ点は保存されている。

 

総残留塩素測定方法

  1. 総残留塩素測定は遊離残留塩素測定後に試料セルを取り出し、別売のヨウ化カリウムを付属さじで1~0.5g加える。
  2. キャップを閉めてよく振り、約2分間置く。
  3. 試薬を入れて反応させた試料セルを試料セルと測定室の三角マークに合わせてセット。
  4. カバーを閉じてMEASキーを押す。
  5. ディスプレイに表示された値が総残留塩素濃度[mg/L]となる。
  6. 結合総残留塩素濃度[mg/L]を求める場合は、以下の式を用いる。

結合総残留塩素濃度[mg/L]=総残留塩素濃度[mg/L]-遊離残留塩素濃度[mg/L]

 

使用に関しての注意

  • 測定に使う試料セルはゼロ点補正の時に使用したものと同じものを使う。
  • 試料セルは使用後に純粋で洗浄してから保管する。
    純水が手に入りにくい場合は、水道水できれいに洗浄して保管し、測定前には検水で数回共洗いをする。
  • 共存物質による影響を受ける場合がある。
    影響を受けるもの(Fe2・Fe3・NO2
  • 測定終了後の処理:試薬を入れた検水は多量の水と共に下水道へ流して使用した容器はよく洗う。

 

実際に使ってみての感想

以前お試しで、DR300ポケット残留塩素計を使用してみての比較になります。

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測定方法自体は両方ともDPD法で試薬を入れるタイプとなっているのですが、DR300は総残留塩素を測定する時に別の試料セルを用意しなければならなかったのに対して、こちらは遊離残留塩素測定で使用した物をそのまま使用できる点がよかったです。

機器価格比較では定価ベースで、
アクアブは49800円(税別)
DR300は73000円(税別)

アクアブの方が安いですが、定価なので値引きがある程度期待できるのでどちらが安くなるかは交渉次第でしょうか。

ランニングコストもそこまで大差なかった思いますが、この辺りは各施設によって違うと思いますので確認してみてください。

測定時間は総残留塩素濃度測定が残留塩素後に素早くできるアクアブが早いですが、総残留塩素濃度のみを測りたいとなったらDR300の方が良いのかもしれません。

残留塩素測定で機器による客観的評価を行いたい場合は参考にしていただけると嬉しいです。

 

参考文献

ハンディ水質計“アクアブ”AQ-201 取扱説明書,柴田科学株式会社

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